縁起でもない ページ44
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「あれー、珍しいね。コンビニ？」
ランチトートとペットボトルのお茶を持って向かいに座ってきた彼はあくびをした私の手元を見てそう言った。
「うん、昨日寝るの遅くて…起きれなかった」
「寒いしねぇ、布団から出たくないよ毎日」
今日の彼のお弁当は…とチラッと開けられたそれを見るときちんと手作りであろうおかずがいくつか。
「もう慣れたもんだね、お弁当」
「ほんと？そう見えてるなら嬉しい」
「綺麗じゃん、卵焼き。これも手作りでしょ？」
「そう、アスパラベーコン巻き〜」
どんどん綺麗に、彩り良くなっていく彼のお弁当。
一緒に入れていたらしいゆかりのふりかけをかけると殆どの色が入っているのではないかと思うほどだった。
「随分な寝不足っぽいね？」
「あー…そう？」
「たまに寝てたでしょ？」
「バレてたか」
ベッドに寝転んだ時点で確か日付が変わる直前で。そんな中で懐古タイムに入ってしまい、さらに昨日は午前中からずっと外に出ていて疲れていたものだから。
幸いなことに特別忙しいわけではなかったからよかったけど、午前中はパソコンを叩く手が止まっていた。
「てかなんか、疲れてんなーって」
「そうかなぁ…まぁそうかぁ」
「なに、なんか悩み事？」
そういうことではない。
ただ単純に寝不足だ。
「いや別にー…まじで寝不足なだけ」
「ふぅん」
強いて言えば眠りにつく瞬間が決して心地よい気持ちではなかったからだろうか。何だか絶妙な気持ちになった昨夜は実は寝不足以外にも影響を及ぼしていたりして。
「なんかねぇ、たまたま昔の写真を漁っちゃって」
「あー止まらないやつ」
「そうそう、気づいたらだいぶ遅い時間でさ」
お弁当は作れないからせめてと、温かいお茶を淹れてきた水筒を傾けた。朝は熱すぎて中々飲めなかったこれも今ようやくちょうどいい温度になっている。
「昔っていつの？」
「大学の時の。昨日同級生に会っててさ」
「へー」
コトンとそれを置くと阿部ちゃんの目線がまたそれを追っていたことに気づく。
「それ、あったかいの？」
「うん」
「そっかぁ、保温の水筒に淹れてくればずっとあったかいのかぁ」
あ、これは。
ついに彼がお弁当にプラスして水筒持参系男子になる時が…？
「まだ寒いしね、来週雪降るらしいよ？おすすめ」
「水筒買わなきゃなぁ」
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ぽぷら(プロフ) - ayaさん» ありがとうございます！もう少しでラストスパートなので、引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです☺️ (4月8日 20時) (
レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 今回も好きなお話で一気に読みました！胸がきゅーっとなります！！ (3月24日 22時) (レス) @page47 id: ff23500b61 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - 優希さん» ありがとうございます☺️ゆっくり更新にはなりますが楽しんでいただければ幸いです！ (3月15日 21時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 見つけた瞬間飛び起きました👏もう面白くてわくわくしてます！😍 (3月5日 23時) (レス) id: 9e7ca0af4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2024年3月1日 23時
