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「雰囲気、ねぇ」
その日の夜、ポフっとベッドにダイブしてからあの凛の発言を思い出していた。
私たちの雰囲気って何？と大学時代を思い出してみるも、これと言った記憶はない。
あの2人のようなラブラブオーラ全開の雰囲気では確実にないと分かっていつつも、外から見た私たちは一体どんな感じだったのだろうかと私はカメラフォルダを開いた。
高速でスクロールして、大学の卒業式の写真が見えたところで止めた。スーツのふっか、さっくん。そして2人でキャッキャしながら着付けてもらった袴姿の私と凛。
4人で大学の名前が掘られている正門の前でピースをしている。
そこからゆっくりとまた遡っていく。
やっぱり圧倒的に多いのは凛とのツーショットだった。3人の中でも凛と一緒にいる時間が多いのは当たり前で、今とは違って時間が多くあったあの頃は2人で旅行なんかにもよく行ったもの。
そんな凛との写真の次に多かったのは4人で撮ったもの。さすがに男子勢と私のツーショットなんてものはなくて。
別に恥ずかしいとかそんなことは一切無かったし撮ろうと思えば撮れたんだろうけど、別にわざわざ撮るシチュエーションもなかったんだろう。
雰囲気なんて分かるはずがない、きっとそれは凛の記憶の中にしか残ってないのだ。
「……あ」
ポフ…と携帯を枕元に軽く投げて数秒。
頭の中に思い浮かんだぼんやりとした写真。
すぐに携帯をまた取って、最近はかなり使用頻度が減った4人のグループを開いた。
そしてアルバムをタップすると、バーっと出てくるちょっとだけ幼い私たち。
記憶を頼りにまた高速でスクロール。確かこのあたり…とそれを止めた場所。ド真ん中にあったその写真。
「……懐かし」
それは、きっと凛かさっくんが無差別にシャッターを切ったのであろう数枚のうちのひとつ。ふっかと私が何が起こったのか楽しそうに笑い合ってる一枚だった。
カメラを向けられていることにも気づいていない、ただ面白いことが起こって爆笑してる瞬間を切り取ったそれ。
何が起こったのか、そもそも何をしている時だったのかも覚えていないそれは多分周りの装飾や賑やかさからして文化祭かその準備の時だ。
当時、確か彼を好きになりたてで後にまとめてアルバムに入れられた写真の中にこれを見つけて心がギュッとなったことだけ覚えていた。
……いや、忘れていたけど思い出した。
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ぽぷら(プロフ) - ayaさん» ありがとうございます！もう少しでラストスパートなので、引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです☺️ (4月8日 20時) (
レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 今回も好きなお話で一気に読みました！胸がきゅーっとなります！！ (3月24日 22時) (レス) @page47 id: ff23500b61 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - 優希さん» ありがとうございます☺️ゆっくり更新にはなりますが楽しんでいただければ幸いです！ (3月15日 21時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 見つけた瞬間飛び起きました👏もう面白くてわくわくしてます！😍 (3月5日 23時) (レス) id: 9e7ca0af4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2024年3月1日 23時
