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「いいのか?両想いだぞ」

「うわー、まじかー」

「そっちが乗っかってきたんですけど」

「最初にふざけたのそっちでしょ」




見つけになんて行かない。
行こうと思わないから。

結果的にこの友達の距離感が心地いいことに気づいてしまった。




「俺が優しくて話しやすくてかっこいい男だってことを説明しただけですー」

「じゃあ私だってそうですー」

「なんだよ、もう一回はっきり言ってみろぉ?」




道を曲がって、いつの間にか前のカップルに追いつきそうだ。帰るのが名残惜しいのか2人の歩みはかなりゆっくりで。




「だからー、私は話しやすくてよく笑って可愛い女の子なんですー」



こんなしょーもないふざけ合いなんかじゃない、きっともっとカップルらしい言葉を交わして笑い合っているのだろう。


電車の音が聞こえてきた。
駅はもう、すぐそこ。






「ふっ、おっかしーなぁ。じゃあなんで過去の俺は見つけてないんだろうなぁ」







あのカップルは駅の入り口でついに立ち止まる。
一向に中に入る様子はない。


ふっかはポケットからICカードを取り出していた。

私も、鞄を漁る。





「見つかってないねぇ、私も見つけられなかったわ」

「見つけたそいつの陰で見えなかったんだろ、残念だねぇ」

「そっちこそ」




カップルの横を通り抜けて駅に入る。
思ったよりも人混みで、対向人を避けたはずみにくっついた私の肩とふっかの腕。

あの頃よりも逆に一緒にいる時間は多くなってるし、距離も近い気がする。ただそれは恋心というものを昇華させた故の事だとすごく実感した。

あの頃だったら無駄にドキドキしていたんだろうな。
なんともないや。




「そっちはさ、フラれたの?そいつに」




ガヤガヤしてる中でも、その声がはっきり聞こえるほどに近いのに。




「いやー?なんだろ、まぁふっかと同じようなもんだよ。時間が解決した」

「それって解決なの?」

「さぁね」




私も彼も、別になんて事ない。




「ねぇふっか」

「ん」

「彼女できたら報告してよ?」





私の目指す改札はもうすぐだ。

徐々に人混みが開けてきた。
私は彼との距離を取る。





「嫌だわ」

「なんでよ」

「そっちだって彼氏できて俺に報告したくないべ?」

「…んー、そうかも」




おい、って突っ込んだ彼は手を上げて分岐の方に体を向ける。お互いに小さく笑った私たちはそれぞれの方向へと歩き出した。

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ぽぷら(プロフ) - ayaさん» ありがとうございます!もう少しでラストスパートなので、引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです☺️ (4月8日 20時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 今回も好きなお話で一気に読みました!胸がきゅーっとなります!! (3月24日 22時) (レス) @page47 id: ff23500b61 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - 優希さん» ありがとうございます☺️ゆっくり更新にはなりますが楽しんでいただければ幸いです! (3月15日 21時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 見つけた瞬間飛び起きました👏もう面白くてわくわくしてます!😍 (3月5日 23時) (レス) id: 9e7ca0af4f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぽぷら | 作成日時:2024年3月1日 23時

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