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カチンと鳴ったグラス。
少しして運ばれてきた卵焼きと揚げ出し豆腐。
既視感が強くなってきたこの光景の中で彼はぐーっと強くもないお酒を流し込んだ。
「別にラーメン食べて帰ろ、でいいじゃん。なんで居酒屋がセットなの」
「だからー飲みの後のシメなのがいんだろって」
「知らないよ」
とか言いながら自分もお酒を流し込んでるから大概だ。ちょっとだけ次はどこに連れていってくれるのだろうかと楽しみになってしまってる自分がいる。
「佐久間、凛がいるからって夕方にはいつも帰っちゃうからさ」
「だからさっくん以外の友達いないの？」
「いんだろうが、お前友達じゃねぇとは言わせねぇよ？」
まぁ、確かに私はあなたの友達ですけども。
こんな感じで交友関係も広いであろう彼にさっくんしか友達の影がないのが不思議である。
もちろん全くのゼロではないのは分かるけど、だとしてもさっくんといすぎだ。
「とか言ってAだって凛か俺かじゃん」
「は、言ってないだけで他の子とだって会ってるし」
「ふーん」
でも確かに自分に置き換えてみると大して変わらないのかもしれないと思った。
別に機会があれば顔を合わせる友達はいるけど、日常的に連絡を取るとか遊ぶと考えるとそれこそ凛くらいかもしれない。
反論したくせに自分の中でそんなもんかと納得してしまう。社会人の交友関係なんて結構こんな感じじゃない？と。
「……まぁでも飲んでるのは凛かふっかくらいかもなぁ」
普通にそう呟いてしまった。
「ふっ、佐久間も入れてあげろよ」
「あぁ、まぁ、うん」
さすがに仲が良いからって今さっくんと2人でご飯なんか行ったら問題だし、そもそもふっかと同じように4人でよく集まっていただけで男子勢とそれぞれサシ飲みなんてしたことはなかった。
「…最近凛と夜までいないな」
それに、今は凛だって週末の夜は大体彼と過ごしている
「散々俺のことイジっといて」
「うるさいなぁ、友達なら黙って」
なんだか悔しくなって、反抗にもならないだろうけど彼より先に揚げ出し豆腐を食べてやった。
別にとちらかが先に食べるなんてルールもないのに、ふっかもあっ、という顔をしたから面白い。
「長年の大恋愛が叶ったんだもんな、そうもなるよな」
わざとなのかそうじゃないのかそれに対して拗ねた顔をしたふっかは、そんな事を言いながら頬杖をつき天を仰いだ。
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ぽぷら(プロフ) - ayaさん» ありがとうございます！もう少しでラストスパートなので、引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです☺️ (4月8日 20時) (
レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 今回も好きなお話で一気に読みました！胸がきゅーっとなります！！ (3月24日 22時) (レス) @page47 id: ff23500b61 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - 優希さん» ありがとうございます☺️ゆっくり更新にはなりますが楽しんでいただければ幸いです！ (3月15日 21時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 見つけた瞬間飛び起きました👏もう面白くてわくわくしてます！😍 (3月5日 23時) (レス) id: 9e7ca0af4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2024年3月1日 23時
