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「別にハイスぺじゃなくてもさ、過去に好きだった人への気持ちが凄く強かったとか自分にとっての大切な存在だったら中々他の人にその熱量注ぐのはハードルが高いんじゃないのって話。比べてるわけじゃなくてね。
でも過去の人は過去の人でしかなくて好きな気持ちを持ってるわけじゃないからその人と恋愛するでもないし、だったら誰も好きにならないのも頷けない？」
頷ける…？
ゆっくりと今の阿部ちゃんの言葉を咀嚼していく。彼は私がその段階にいる事を感じ取ったのか少し間を空けてからまた話し始めた。
「吹っ切れてたとしても凄く好きだったなぁとかさ、そういう思い出とか経験としてなら自分の中に残ってるでしょ？あの時みたいにその熱量を注げるのか？っていうのが大人になるにつれて人を好きになる判断材料になりそうだし、あの時のその熱量に達して初めて人を好きと感じるみたいなボーダーラインになっていくと思うの。
過去の人に対する熱量が大きかった人ほどそのボーダーって高くなるわけじゃん？恋愛って自分のキャパとか物理的な時間とかを使うものだから大人になるとその判断も慎重になるし、その分ボーダーが高い人は中々新しい恋愛を始めるのって難しいと思うんだよね、俺は」
理論的なのか、逆にそうじゃないのか。
いつの間にか本当に“議題”が現れてそれに対する討論…いや、阿部ちゃんの考えを私が聞く会になっていたのに対しなぜか変に感心してしまった。
あなた、よくとっさの話題にそこまで深い考えを出せるね。
「……なるほどねぇ」
「理解できた？」
「私の中では落とし込めたと思う」
「その上で納得してくれてる？」
「多分」
「本当に落とし込んだ？」
そう阿部ちゃんに疑いの目を向けられたけど、その頃にはちゃんと咀嚼し切って納得の気持ちも生まれていた。確かに…今は別にふっかに対する気持ちはないけれど、あの時はちゃんと好きだったしその分苦しかったのだ。
今自分が知っている男性たちに対して同じくらいの気持ち…いわば熱量を注ぎたいかと聞かれたらそれはノーで、あの頃の熱量を注ぐとなると自分の中のキャパはかなり埋まりそうでそう考えると恋愛をするのは単純に無理だと思ってしまう。
「じゃあ心当たりは？Aちゃん」
ギク。
ワザとらしくにっこり笑った彼の笑みが突き刺さる。
「……そんな急に聞かれても」
だって、私ふっかのこと凄く好きだったんなって思えてしまったから。
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ぽぷら(プロフ) - ayaさん» ありがとうございます！もう少しでラストスパートなので、引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです☺️ (4月8日 20時) (
レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 今回も好きなお話で一気に読みました！胸がきゅーっとなります！！ (3月24日 22時) (レス) @page47 id: ff23500b61 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - 優希さん» ありがとうございます☺️ゆっくり更新にはなりますが楽しんでいただければ幸いです！ (3月15日 21時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 見つけた瞬間飛び起きました👏もう面白くてわくわくしてます！😍 (3月5日 23時) (レス) id: 9e7ca0af4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2024年3月1日 23時
