ハイスペ ページ29
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「…あ、凛」
反対方向を見ていた彼女の肩を叩いてあげると、振り返ったその子はふわりと笑う。
「あ、やっほーA」
「やっほー。毎回お迎えだなんて、凛もお姫様になったねぇ」
それと同時に軽く手を振ってこちらに歩いてきたさっくんと交互に見て、ちょっとのいじりも含めてそう言ってやった。
「たまたまだって」
「そうだよ、俺さっき近くで深澤と買い物してたから」
「あ、会ったんだ？さぞかし喜んだんじゃないですか？」
「ほんと、いい加減相手しろ！ってうるさいのなんの」
凛とご飯を食べた帰りにさっくんと顔を合わせるのも数回目。何かと理由を付けて迎えに来る彼はやっぱり長年の片想いの分だけ彼女に首ったけなようで。
「じゃ、邪魔者はこの辺で」
「やめてよA〜」
「ふふ、またご飯行こ。じゃあね、さっくんも」
「うん、また4人で飯いこーぜー」
背を向けて数歩歩いてからそっと振り返って、また2人の背中を眺めた。相変わらず仲良さそうで見るたびにラブラブ度が上がっている気がするから凄い。
そして、さっくんが持っていた紙袋の内側にデパコスブランドの小さな紙袋を隠し持っているのが見えて。あぁ、凛にプレゼントか、やるじゃんって。
背中が小さくなったところで私も歩き出す。
そして改札を通ろうとして携帯を取り出した時に気付いた一件の通知。
“やっと相手してくれたわ”
ふっかから、デパコスが並ぶ棚を真剣に見つめるさっくんの写真が送られてきていた。
“さっき凛のお迎えに来たその人と会いましたよ、そこの紙袋持ってた”
“ここで30分使った、めっちゃ待った”
相手してくれてないじゃん。
店の中なのか外なのか、彼女へのプレゼントを選ぶ友人の事をぽつんと待っている少し不憫な彼の姿を想像して笑う。
その日の夜、凛から写真と共に嬉しそうな連絡が届いた。さっくんがプレゼントしたのはリップで彼女曰く色もドンピシャだったんだとか。
リップだなんて好みや肌の色味もあって他人が選ぶのは同じ女でも大変なのに。
"よくこんな色つけてるな、じゃあこれつけてほしいなって思ったからだって"
もちろん店員さんに相談はしただろうけど、持っている色味の系統ではあるけど少しだけ違う、そんなニュアンスの違いまでもを加味して選んだなたんてさっくんもよくやるなと感心した。
"幸せ者だなこのやろ！"
本当に、2人は幸せ者だ。
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ぽぷら(プロフ) - ayaさん» ありがとうございます！もう少しでラストスパートなので、引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです☺️ (4月8日 20時) (
レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 今回も好きなお話で一気に読みました！胸がきゅーっとなります！！ (3月24日 22時) (レス) @page47 id: ff23500b61 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - 優希さん» ありがとうございます☺️ゆっくり更新にはなりますが楽しんでいただければ幸いです！ (3月15日 21時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 見つけた瞬間飛び起きました👏もう面白くてわくわくしてます！😍 (3月5日 23時) (レス) id: 9e7ca0af4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2024年3月1日 23時
