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「……めちゃくちゃ好きだったんだね、その子のこと」
きっとそうだと思った。
例え今その気持ちが無いとしても、その子を想っていた自分の人間らしさや苦しみさえも大切なものとしてしまっておけるくらいなのだから。
「んー、そうなのかなぁ。結局何とも思わなくなっちゃたから分かんねえけど」
「なっちゃった、って言ってるじゃん。できることならずっと好きでいたかったんじゃないの？」
それはいつの彼なのか。
私が好きだった頃の彼なのかはたまた違うのか。
それも分からないけれど、きっとあの頃の私がその事実を知ったなら心底羨ましかったのだろうと思う。
「…いや、結局叶わないんだからこれで良かったと思うよ。すっげぇ楽になったもん、消えた時」
今の彼でさえも、こんなに切ない顔にさせてしまうその子が。
「…もったいないって思ったけどね、私」
でも、今の私が思うのは
その子と彼が結ばれて欲しかったかもしれないだなんて勝手な事だった。
「もったいない？」
「その子を好きだった時のふっか、きっと凄く人間らしくて魅力的だったんじゃないかなーと思ったけどね。話聞いてる限り」
ある意味、無責任だ。
「分かんないけど、全然無理なんかじゃなくてその子ももう少しふっかのアプローチが見えれば好きになってくれたかもしれないんじゃないかなって思っちゃった」
これはかつて好きになった私だから思う事なのだろうか。
恋愛はそんな簡単にはいかないって分かってるけど、どうも私には彼のその恋心が実らないものだったとは思えない。
フィルターかな。
「今連絡できないの？」
「いやぁ、できないことはないけど」
「別にもう一回好きになれとは言わないけど、今会ってみたら何かが生まれるかもしれないよ？」
それこそ、刺激とかね。
そう、また無責任なことを零せば彼は何を思ったのかまた遠くを見つめだした。
今日も寒い日、空気が乾いている感覚がする。
「…やっぱ刺激はいらないかなぁ」
「あれ」
「いや、なんかそういうのはいいや。別に今会ってもって感じ」
そんな空気のように、カラっと笑ったふっか。
「…ふーん」
彼がそう言うならば、もう他人が口を出せることはない。
どれだけ切ない表情を見せても、その思い出が今の自分には羨ましくても、彼の中ではもう“過去”でしかない。それに何だか少しの残酷さともどかしい気持ちを感じた。
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ぽぷら(プロフ) - ayaさん» ありがとうございます！もう少しでラストスパートなので、引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです☺️ (4月8日 20時) (
レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 今回も好きなお話で一気に読みました！胸がきゅーっとなります！！ (3月24日 22時) (レス) @page47 id: ff23500b61 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - 優希さん» ありがとうございます☺️ゆっくり更新にはなりますが楽しんでいただければ幸いです！ (3月15日 21時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 見つけた瞬間飛び起きました👏もう面白くてわくわくしてます！😍 (3月5日 23時) (レス) id: 9e7ca0af4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2024年3月1日 23時
