愛してた ページ27
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「ふーん」
徐に空を見上げたふっか。
何故か横顔を目で追ってしまって、背の高い彼を見上げる私もまた越しに空が視界に入る。
「…ほんとだ」
「え？」
「あいつらのこと、思い返してみたけどずっと楽しそうだったわ。ほんとに片想いしてんの？ってくらい」
微笑ましそうに、でもどこか寂しそうに見えたその表情。
「片想いなんてさー、しんどいことの方が多くね？」
「…まぁ、一般的には？」
「幸せもんだよな、あいつらは」
ふっと笑って今度は目線を下に降ろした。
その姿は間違いなく、切なかった。
「…ふっか？」
「ん？」
「どうしたの」
思わずそう聞いてしまうくらいには。
「えー、別に？なんでよ」
「いや、何かすんごく切ない雰囲気出すじゃんと思って」
「んは、出してねぇよ。できる事なら片想いしたいくらいだわ、まーじで今の俺色恋話全くなし！」
ぐーっと、ポケットから出した手を空に向けて伸びをする。そしてだらんと落とされた腕はまたポケットに吸い込まれていった。
「何か人間らしくね？片想いしてる時の人って」
「人間らしい？」
「確かに片想いってしんどいけどさ、そうやって悩んだりなんだりしてる時の人間って今みたいになーんの感情の起伏もなく淡々と毎日を過ごしてるよりよっぽど人間ぽい」
今の彼の遠くを見つめるような目線、知っている。
「……なんだっけ、無理なんだろうなが続いて気持ちが消えたってやつ」
「…あー、話したね。そんなこと」
何かを思い出すような、大切なものを手繰り寄せるようなそれ。
「その時、しんどかったの？」
「まぁ、そりゃあね。無理なのに諦めらんないんだもん、しんどいよ」
まさかそれを掘り返されると思ってなかったのか少しだけびっくりした様子の彼。ただきっと思い出していたのはその時の事だったんだろう。
「ただ、あんときの俺可愛かったなぁ」
「なにそれ」
「その子とたまたま2人になれただけでめちゃくちゃ嬉しいし緊張もしてたのに、スカした態度でそれを悟られないようにしてさ？なんかだっせーなぁって思うけど可愛いじゃん。人間らしくて」
おちゃらけているつもりなのかもしれないけれど、その言葉のトーンと表情がふざけているようには見えなかった。彼はその苦しい片想いでさえも愛おしい思い出で、今の自分にはないその気持ちを羨ましく思っているようだった。
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ぽぷら(プロフ) - ayaさん» ありがとうございます！もう少しでラストスパートなので、引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです☺️ (4月8日 20時) (
レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 今回も好きなお話で一気に読みました！胸がきゅーっとなります！！ (3月24日 22時) (レス) @page47 id: ff23500b61 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - 優希さん» ありがとうございます☺️ゆっくり更新にはなりますが楽しんでいただければ幸いです！ (3月15日 21時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 見つけた瞬間飛び起きました👏もう面白くてわくわくしてます！😍 (3月5日 23時) (レス) id: 9e7ca0af4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2024年3月1日 23時
