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「日常ではない何か…」
そう考えるフリをして自身の手を見た。
先ほど話したように明日凛と出かける予定なので久々に色味のあるネイルをしたのだ。
その手に、余裕で負けた気がする。
「…恋したら？」
「恋？」
「それくらいしか思いつかないもん。そうすればさっくんの他にも誘える相手ができるよ？」
比較的いつもネイルをしている凛の可愛らしいそれを思い出した私。きっと絶賛幸せ中な彼女のことを考えていると自然と思い浮かんだコレ。
「だから、別に佐久間以外にも友達はいるっての」
「それじゃ日常じゃん？彼女ができたら少なくとも数ヶ月は刺激になるんじゃない？」
簡単にそんなことが言えてしまった私にまた冷めたなぁと心の中で呆れ笑う。彼に彼女ができたとて、今の私はおめでとうよかったねとしか思わないのだから。
「……恋ってしたくてできるもんじゃなくね？」
そんな私に、彼はグラスを置いてそう応える。
「まぁそうだけど」
「佐久間と凛見てて麻痺ってる感じあるけど、人ってそう簡単に好きになって相手にも好きになってもらえるもんじゃないぜ？」
夢がないなぁ。
そう思ったけど、自分も大概だった。
「それはねぇ、ほんとそうだけどさ」
「俺だって好きな子がいたら普通だなんて言わねぇよ」
「まぁ…浮き沈みするもんね、多分」
恋愛を本気ですれば気分の浮き沈みは自然と起こること。日常を送っている、普通だ。そんな感覚にはならないだろう。
「……好きになれないんだよなぁ」
そりゃ私も普通だわ。
そう変な納得をしているとまたどこかを見つめてボソッと呟いたふっか。
「なに、どしたの」
その表情は、どこか切なくも感じた。
「いや、別に俺だって彼女ができるなら嬉しいし多分楽しいんだろうなとも思うんだよ。たださ、別に好きになるとか気になるとかマジでなくて。職場に女子もいるし、可愛い子だっていんのに好きにならないんだよ」
別に誰かを貶すとか、変なマウントみたいな意味じゃない。切実にそう思っていることを感じ取った私が思ったのは共感だった。
「…分かる」
「え、分かんの？」
「好きにならない、なれない。なんでだろね、別にかっこいい人いるのに」
身近な人でいうとそれこそ阿部ちゃんとか。
あんなに仲良くしてるのに、あの人に好意を抱かないならもう誰にも抱かない気がする。
「……ずっと普通だねぇ、俺ら」
カラン、と。
彼のグラスの氷が鳴った。
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ぽぷら(プロフ) - ayaさん» ありがとうございます！もう少しでラストスパートなので、引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです☺️ (4月8日 20時) (
レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 今回も好きなお話で一気に読みました！胸がきゅーっとなります！！ (3月24日 22時) (レス) @page47 id: ff23500b61 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - 優希さん» ありがとうございます☺️ゆっくり更新にはなりますが楽しんでいただければ幸いです！ (3月15日 21時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 見つけた瞬間飛び起きました👏もう面白くてわくわくしてます！😍 (3月5日 23時) (レス) id: 9e7ca0af4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2024年3月1日 23時
