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当たり前のこと ページ18




ぼーっとコーヒーを一口。
会社の休憩スペースが今日は少し寒くて、外したマフラーをブランケット代わりに膝にかけた。

さて食べようかとお弁当を広げ出した時、また向かいに誰かの姿が。



「お疲れ、よく会うねAちゃん」

「うん、ここじゃなくてもデスクすぐそこだからね」



阿部ちゃんだ。



「…あれ!」

「んふー、頑張ってみた」



その手にはランチトートらしいもの。
どうやらちょっと自慢したかったらしい。



「はぁー、さすがだね。行動が早い」

「手始めに冷食を詰めるところから始めようと思って、手作りはゼロだけどね」



シンプルなお弁当箱を開けて見えたのは見慣れたおかず達。パッケージまでが頭に思い浮かんできて、何だか微笑ましい気持ちになる。



「えらいえらい、手作りなんていいの。充分だよ」

「Aちゃんみたいに卵焼きくらいは作りたかったんだけどさー、ちょっと練習が必要だわあれは」



今日は卵焼きに加えて昨日の夕飯の残りを詰めてきたので3分の2くらいは手作り。そんな私のお弁当の中身を見てちょっと羨ましそうにする阿部ちゃんをやっぱ可愛いかよ、と心の中で愛でた。



「阿部ちゃんならすぐ習得しちゃいそうだけどねぇ」

「でもさー、あれって結構難しくない?ひっくり返すのとか」

「油引くのこまめにやるとか、一回に流す量少なめにするとか。その辺気をつければ割とできるよ?」



へー、やってみよーだなんて言いながらあの有名な冷食のミニオムレツをパクリと食べた。やっぱ君、可愛いな。




「阿部ちゃん、彼女いないの?」

「へっ」



そんな彼を見てそういえばと思う。
会社の女子みんな(私を除き)が一度は意識してるんじゃないかと思うくらい人気な彼、でも実際に色恋話を聞いたことは噂でもなかった。



「そんな動揺する?てことは」

「いないよ、急にそんなこと聞かれたら誰だってびっくりするじゃん」


落ち着かせるようにお茶を飲んだ阿部ちゃん。


「いないんだ?」

「逆にいると思われてたの?」

「だって絶対モテるし現にモテてるし」

「モテると相手がいるは違うでしょ、俺が好きにならないと」


何だか不満気に反論してきたけどモテるのは否定しないのか。そう思って彼を見ると


「……好意的に思ってくれてる人が多いのはありがたいけど、大変なんだからね。色々と」


どうやら自覚もあるしそれにちょっと困ってもいるらしい。私の心を読んだのだろうか。

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ぽぷら(プロフ) - ayaさん» ありがとうございます!もう少しでラストスパートなので、引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです☺️ (4月8日 20時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 今回も好きなお話で一気に読みました!胸がきゅーっとなります!! (3月24日 22時) (レス) @page47 id: ff23500b61 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - 優希さん» ありがとうございます☺️ゆっくり更新にはなりますが楽しんでいただければ幸いです! (3月15日 21時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 見つけた瞬間飛び起きました👏もう面白くてわくわくしてます!😍 (3月5日 23時) (レス) id: 9e7ca0af4f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぽぷら | 作成日時:2024年3月1日 23時

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