諦め ページ15
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「…うま」
「だろ？」
いつもはさっくんがいるから女子勢はお暇しているのだけど、2人きりである今日はシメのラーメンを断ることができず。
「入るもんだな…」
「むしろこれがメインでしょ」
ふっかおすすめだというラーメン屋さんでふたり。こんな飲んだ後に？と思っていたのに美味しくてスルスルと入ってしまう脂肪と糖の塊。
罪だ。
「明日むくみそー」
「風呂で汗かけば問題なし。てか明日休みだろ？」
「そうだけどさぁ」
何だかんだ文句みたいな事を言いながらも啜るラーメンは間違いなく美味しいし、どこか上機嫌なふっかを見てるとなんかもういっかとなってしまうのはなぜだろう。
「なんか楽しそうだね」
「んー？」
「幸せそうな顔してるよ、ほんと好きだねラーメン」
飲んでるんじゃないかってスピードでラーメンを啜る目の前の人。大学の頃からよく食べていたイメージではあったけど、相変わらずのようだ。
「いやまじで、言ったでしょ？俺佐久間に3回連続で断られてるわけ。こうやって飲んだ後にラーメンとかもかなり久々なわけよ」
「さっくんとは買い物に行ってるんじゃなかったのー」
「そりゃ流れでいくじゃん、飯にだって」
この人もうさっくんのこと大好きなんだな。
結局誰かを誘うとなったときに第一候補はさっくんなんだろうなと。
「あいつも何だかんだラーメン好きだし」
「あぁ…どうも」
そんな事を言いながら私の分の水まで注いでくれたふっか。ちょうど飲みたかったのでありがたいなと一口含むと、そんな私のスピードの何倍もの速さで水を一気飲み。
「汗よ」
「ラーメンってまじスポーツだから」
「…ふふ」
いつのまにか汗だくになっている姿に何だか面白くて笑ってしまう。
そんな私を見て彼は何を言うわけでもなく、ただ笑ってまたラーメンを啜り始める。
そんな空間に、ふと思う。
きっと好きだった頃の私はこれを求めてたんだろうなぁ、と。
2人で何気ない事で笑い合って、なんかいいなって思うような。日常を切り取った温かい時間、そんな時間を彼と過ごしていたかったんだと思う。それが恋人関係になっていようがいまいが。
でも、あの時は恋人にならなきゃこんな時間を過ごせるとは思って無かったんだと思う。
変に考えすぎず、2人きりのご飯にだって誘えばよかったのに。そうすれば少しは違う結果になったのかな、なんて。
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ぽぷら(プロフ) - ayaさん» ありがとうございます！もう少しでラストスパートなので、引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです☺️ (4月8日 20時) (
レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 今回も好きなお話で一気に読みました！胸がきゅーっとなります！！ (3月24日 22時) (レス) @page47 id: ff23500b61 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - 優希さん» ありがとうございます☺️ゆっくり更新にはなりますが楽しんでいただければ幸いです！ (3月15日 21時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 見つけた瞬間飛び起きました👏もう面白くてわくわくしてます！😍 (3月5日 23時) (レス) id: 9e7ca0af4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2024年3月1日 23時
