陰キャとさくまの水曜日 2

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「かんぱーい」


席に通される時、サラリーマンに絡まれている女性の定員に頑張れ…！と心の中で応援の言葉をかけた。居酒屋店員が別の店に行くととことん店員さんに優しくなれる。


「ここ、うちの店より静かでええなぁ。こんなとこで働きたいわ」

「でも時給うちより低いっぽいよ、そこに書いてあった」

「駅前なのにな、」


ほら、どうしても店員目線になる。



「珍しいね、木曜じゃないのに3人とも休みだなんて」

「俺らは合わせたけどシフト表見たらAいなかったからちょうどいいじゃんって思って」

「初めてよな、3人でご飯って」

「いつも一緒にご飯食べてるけどね」

「賄いをご飯にカウントすな」


ちょっと行き渋ったけどあまり気にしなくてよかったかもなと思う。いつも通りの空気感の中で雑談しながらご飯を食べる。普段お酒はほとんど飲まないけどこういう場なら少々…って言ってもこういう場がほぼ無いからあれだけど。


「Aお酒のめんの？」

「ほぼ飲まない。なんか働いてるだけでアルコール入れた気分になるし」

「分かるわー、あんだけ運んで酔っぱらってる人の相手してたら飲もうって気にもならんもんな」

「ね、もしかしたら弱いのかも」

「よし、康二飲ませようぜ」

「うわ居酒屋定員らしからぬ発言」

「今日は定員じゃねーもん」



目黒くんはお酒強いらしい。怖い。

奢られる立場なので食べ物とかの注文は2人にほぼ任せて弱いものを少しだけ。外で誰かとご飯なんて久々だなぁと思う。最後に行ったのも思い出せないくらい前だ。


「そういやあれどうなったの？同級生に絡まれてるって」

「あー…」


記憶を辿っていると辿り着く前に目黒くんから聞かれた事。


「なんやそれ」

「だいぶ前だけど言ってたじゃん、陽キャに絡まれてるとかなんとかって」

「聞いたような聞いてないような、なんやっけ」


プライベートでよく遊んでいる2人はやっぱり私がいるのが物珍しいのか私に話を振ってくる。どうなったってどうなってるんだろう、相変わらず絡まれてはいるけど…


「うーん…要約するとダンスサークルに私を入れたいがために絡んでるらしい」

「じゃあこの間うちの店に来た人たちってサークルの人なの？」

「そう、全員のこと知ってるわけじゃないけど」


改めて言葉にすると何だそれと思う。
踊りが好きとかどうとか言ってるけど、何でそんなにもこんな社畜隠キャ女子に関心を持っているのだろうか。

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