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「うまく過ごせない現実から目を背けて本ばかり読んでた私の側に来て、それ面白い？って聞いてくれる。次貸してって言ってくれる。私が選んだ本だから面白いでしょって普段読まないのに触れようとしてくれる。感想を聞き出してくれる。
……本に関わる仕事がしたいかもって言えば、笑顔でかっこいいねって。何がいいかなーって一緒に考えてくれて」
私が編集者を目指したきっかけ。
それは昔から側にいてくれた亮平と辰哉が本と共にいる私を肯定してくれたからだ。彼らにとっては何気ない日常の一コマでしかなかったかもしれないけど、私はそれが嬉しかったのだ。
「なんだろう、隅っこで本を読む子ってやっぱりあまりいいイメージないじゃないですか」
「まぁ、そんなことないんだけど世間的なイメージはね」
「その人はその人種じゃなかったけど、でも隅っこの私に何も変わらずに接してくれてました。それが本の世界の他の、現実世界の中の拠り所だったのかもしれないです」
それは昔から私とずっと一緒にいたからで、私の事を知ってくれていたからで。本の中の私と現実世界を繋ぎ止めてくれていた２つの手だった。
「…最近その人と会って思い出しました。ありがとうって、まだ言えてないんですどね」
逆に何で忘れてたんでしょうね、と自虐的な意味も込めて笑いながらツナとシャチを撫でた。にゃおんとどちらかが鳴いた。
「表紙の絵、できたんだけど見てくれない？」
そんな声が降ってきて顔を上げると佐久間さんは作業部屋に向かっていた。そして程なくして戻ってきた手には1枚の紙。
「え…早いですね」
「今に始まったことじゃないでしょ？」
くすっと笑った佐久間さんはそれを差し出す。
そこに描かれていたのは横並びに並んでいる3人。詩香を真ん中に右が都和、左が陽斗。そして
「…これはどういう意図なんですか？」
陽斗は詩香の頭に手を乗せ、都和は詩香と手を繋いでいる。
まるで
「んー、何となく素敵だなぁと思った構図」
亮平と辰哉みたいに。
「2人がしいちゃんに触れるならこうなんじゃないかなーって」
佐久間さんは微笑んでいる。
「この号見せてその人に言いなよ、こんなの作ってるんだよって」
「え？」
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takkimakki(プロフ) - ぽぷらさんの大ファンで、こちらのお話もすぐに読み始めたかったのですが、色々あって精神的に落ち着かず、せっかくの大好きな作者さんのお話だから、気持ちに余裕が出来たら読ませていただこう、、と思っていて。こんな時期になってしまいました。お話、最高でした！ (3月4日 14時) (
レス) @page31 id: ff744b84c3 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - ねもさん» こちらこそお読みいただきありがとうございました！締め方納得していただけてホッとしています（笑）ねもさんもお気をつけて、ありがとうございました☺︎ (10月17日 21時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
ねも(プロフ) - お疲れ様でした！毎回ドキドキキュンキュンしながら、更新楽しみにして読ませて頂いていました。ラストの締め方も天才…って感動しました。最高です！！いつも素敵な作品をありがとうございます。お身体にはどうぞお気を付けて、これからも応援しております。 (10月15日 10時) (レス) id: 04621d2dbc (このIDを非表示/違反報告)
白雪姫(プロフ) - ぽぷらさん» お忙しい中返信ありがとうございます😊毎日キュンキュンと幸せな気持ちで興奮しながら姉と黄色い声をあげていました笑👏また新作を出す予定があれば楽しみにしています😍 (10月10日 23時) (レス) id: 0bbb4fca30 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - ぽぽぽさん» こちらこそお付き合い頂きありがとうございました！ニヤけちゃいましたか？（笑）楽しんで頂けたみたいでよかったです！タイトル実は考える時結構悩んだので汲み取って貰えたのはとても嬉しいです！素敵なお言葉ありがとうございました☺︎ (10月10日 22時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2023年10月1日 21時
