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1話から順番に。ゆっくりとこの漫画を読み返していた。
いつのまにか詩香、都和、陽斗の3人は私の生活の中でも身近になっていて、そして3人の様々な顔や言葉を受け取ってきて。
それで私は今になってやっと、気づいたことがあった。
都和と陽斗みたいな亮平と辰哉。
でもそれはきっと私を好いてしまっていたり、そのアプローチの仕方が似ているだけじゃなくて。
実は昔から私のことを幼馴染として本当に大切に想ってくれていたこと。程よい距離感で支えてくれていたこと。思っていたよりもずっと、私の事を分かってくれていたこと。私が壊れそうになった時必死に手を差し伸べてくれたこと。
今この漫画を遡ると、どんな描写でも2人と結びつくことが多くて。あぁ、好意を抱かれている事に囚われ過ぎて他に気付いていなかったと。
佐久間さんに言われてドキッとしたと共に、色々な事にハッとさせられた。
どのタイミングで好きになってくれたのかは分からないけど、詩香のように流石に察していた。だからこそ亮平と辰哉のアプローチが強くなっていくごとに怖くてたまらなくて。声や表情、言葉がどんどん優しく、時に甘くなっていくのが辛くて。申し訳なくて。
辰哉が私の事を凄く気にかけて支えようとしてくれても、亮平が自分を下げるなと一生懸命伝えてくれても結局は自分が臆病なせいで恐怖に繋がっていて。
それはいつか言われたように2人の気持ちも否定してることになる。そして私はこのままだとずっとハッピーエンドにはたどり着けない。主人公にはなれない。
これから佐久間さんが描くのであろう詩香を、先取りで演じていかないと。
詩香は、2人の力を借りてどうハッピーエンドへと進んでいくのだろうか。
想像してみよう。
“詩香”は
この物語の主人公は
“私”かもしれないのだから ────────
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作者名:ぽぷら | 作成日時:2023年9月2日 23時