原作マイリフレクション 3 (ページ28)

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その通りにはページ28

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今年の地元の祭りの日程を調べて、何をする訳でもなくページを閉じた。

私は詩香みたいに1人でふらっと寄ることはしない。そこで過去に3人で行ったり友達と行ったりしたことを思い出したり、そしてカップルを見て何かを思うことはしない。

漫画の通りにはなっちゃいけない。

"いや、ただの幼馴染としか思ってないなら毎週電話したりこんなに誘わないって！絶対詩香ちゃんのこと好きだって！！"

"そう思うんだ？笑"

"康二も言ってた！さすがに好きじゃなかったらただの思わせぶりや！って！詩香ちゃん気づけ〜！！笑"

なっちゃんは本当に本屋で売ってた分を買って読んでくれたらしい。康二くんに教えてもいいかと聞かれて広めないことを条件に許可すると、2人で仲良くきゃーきゃー言いながら読んだんだとか。

ざっくり言えば、今後のストーリーは詩香の気持ちが徐々に変わっていく、そして動揺しながらも何となく感じ始めた2人の好意に向き合っていく様子が描かれるらしい。

その中にキュンがあったり心揺さぶられる何かがあったりと…佐久間さんの事だからまた色々企んでいるんだろう。

きっと一筋縄ではいかない。

詩香はどちらかに惹かれるのかもしれない。
ただ、私は詩香ではなくあくまで佐倉A。

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【深澤辰哉】

画面に現れたその名前。
応答をタップすることはせずにバイブ音が鳴り止むのを待った。予想通りメッセージが来るのを確認し、少し間を空けてから返信をする。

"ごめん、今日は疲れたから"

画面を下にして携帯を置く。そのあと通知音が聞こえたからきっと何かを返されたのだろうけど、あえて見ることはせずにそのままにした。

会社から貰った佐久間さんのイラストが表紙の号を手に取って他の作家さんの漫画を読む。私自身は漫画をよく読むというわけでもなかったのだけど、仕事にしてしまったものだから漫画は必要不可欠になっていて。

不思議なもので、元々漫画好きではないにしても読み始めると没頭してしまう。読み物自体はそれなりに好きで、学生の時も誰にも邪魔されずその世界に入れるからと休み時間はそれなりに本を読んでいたものだ。

出版社で働きたいという気持ちが生まれたのはそこからだった気もする。正直、はっきりとしたきっかけはあまり覚えていないのだけど。