原作マイリフレクション 3 (ページ24)

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昔の写真を見る事だったり昔を思わせる実家という場所に行って、都和と陽斗とは違う人物で今までの私たち3人は漫画の中の3人とは違うんだと思い直したかった。

ただ自分の記憶能力が低いからなのかあまり昔のことが思い出せなくて、特に重なってしまう最近の出来事しか結局判断材料にならなかった。

「……そんなわけないよ、うん」

自分の家に帰って鍵を定位置にカシャンと置いた。
ツナそっくりの猫のキーホルダーが私を見る。

「ここは現実、漫画じゃない」

都和と陽斗の行動を受けて詩香はなぜそんなに気づかないのかと少々疑問に思うところもあった。それ好きじゃん、もう分かるじゃんなんて。

ただ、思った以上に"幼馴染"というフィルターの厚さは凄いらしく、元々仲がいい故に判断ができなくなるらしい。対応が今までと違ってきてることは薄々と感じているものの、それが自分への好意であると気づくには至っていない詩香。

それを自分に置き換えてみよう。

幼馴染だからってこんな頻繁に誘う？
幼馴染だからって毎週電話する？

幼馴染だからって独り占めが嬉しいだなんて言う？
幼馴染だからってあんなに優しい声になる？

ちょっと無理がある気がしてきた。
ただ私にも"幼馴染"のフィルターがかかっているのかそうじゃないのか。決定打には欠ける気がするし。

何よりそんなに漫画の世界と同じように進むことなんてあるのだろうか。ここは現実。

でも、起こった出来事が全くではないとはいえ重なりすぎている。

あぁ、

詩香のモデルは私だったね……？

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「え、そんなに買ったんですか？言ってくれればお渡ししたのに…」

「自分の足で本屋行って自分のお金で買うのがいいんだよー今までの中でもお気に入りだからさ！」

すでに1冊はプレゼントしたはずなのに、使用用、保存用、観賞用…だなんてニコニコしながら数冊を手に取る佐久間さん。テンションが上がって一気買いしたんだとか。

「もし次やるとしたらあえて高校時代の3人描きたいなぁ」

「きっとまたすぐに依頼されますよ、ゴミ箱の中も注意して見ておきます」

「んはは！」

彼の手元の3人は笑っている。

「今月号だったらなー！浴衣姿にしたんだけど！」

そう言いながら見せてくれた下書きにはお祭りの風景。季節は夏、テレビでは全国各地の祭りの様子が毎日のように流れている。