原作マイリフレクション 3 (ページ13)

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全貌と気づきページ13

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「いやマジでただの嫉妬じゃん」

辰哉が呆れたように呟いた通り。
事の発端は御陰さんの嫉妬の気持ちだったようだ。

「人の本性って簡単には分からないもんだね」

苦笑いで言った私に2人が悲しい顔をしたのが見える。全てが分かった日の週末、私は2人を呼び出して経緯を説明した。

佐久間さんの今の連載は正直言ってかなり勢いがいい。読者の評価も高くて今後の期待値も高い。次号の表紙を依頼されるくらいだ、それはうちの会社にいる人なら誰もが感じてる事だろう。

その結果は佐久間さんの努力と過去の編集者さんが地道に積み上げたもののお陰だと思ってるし、担当が自分になったからだなんて1ミリも思っていないんだけど、外から見たらそう思う人も多かったようだ。

御陰さんは前々から佐久間さんの才能を見出して、編集者としてかなり力を入れて仕事をしてきたらしい。けど自分より経験も少なければ仕事ができるイメージがなかった私に変わってから佐久間さんの評価がぐんと上がったことが許せなく、その気持ちが抑えられなかったんだとか。

「……愛想も良くない、パッとしない。そんな私が今の作家さんと上手くやれるはずがない。身体を売ってるってことは確かに嘘として流したけど…そう思ってたりじゃあ何か卑怯な手を使っているんじゃないかと思ってたのは事実だって」

佐久間さんの性格を知っているからこその疑問なんだろう。明るくてフレンドリーで…そんな彼と私との相性がいいとは思えないのも分かる。

「だから私をどうにか辞めさせて自分が担当に戻るとか…そうじゃなくても私と作家さんを離したい、そんな気持ちがあったらしいよ」

佐久間さんの話を受けてさすがにヤバいと思ったらしい編集長や上の人たちが問い詰めたらしい。すると観念したのか全て吐いたと。

御陰さんは結果的に会社全体の信用やイメージのダウンに繋がり兼ねないことをしたと、今は謹慎処分にされている。正直、今後そのまま働けるのかと聞かれたらその答えはノーだと思うし、謹慎が終わったら会社を去るんじゃないかと個人的には思っている。

「……まぁ、私の責任であるのも間違ってないよね。そう思われたのは事実だし、会社の人間に愛想良くできないのは社会人としてどうなのって話だしね」

この話を編集長から聞かされ、そして見て見ぬ振りをして申し訳なかったと謝罪もされた。ただこれはやっぱり自分にも落ち度があると、その現実も知らされることになった。