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今まで佐久間さんを担当してきた人は、御陰さんをはじめとして編集者のキャリアが長いだとかベテラン層がほとんどだったと聞いている。

だから最初は私もその人たちに習って作家さんに頼られる編集者にならなければとずっと思っていた。でも、圧倒的に経験値が足りなくてそんなことはできるはずもなく。

佐久間さんはどうですか、佐久間さんにお任せします、佐久間さんの希望は?と彼頼みになってしまっていてそれが毎回本当に申し訳ないと思っていた。

ただ0から1が出来ないんだからと、その分佐久間さんが作ってくれた1を広げるだとか一緒に膨らませて2以上にすること。そして佐久間さんを尊重してのびのびと活動ができるようなサポートは全力でやろうと決めていたのだ。



「…これ、私の話で合ってますか?」

「今の編集者さんはAさんしかいないでしょ?」



ただ私が申し訳ないと思っていた事は彼にとってプラスだったらしい。思ってもいなかった考え方、感じ方に私は心から驚いていた。



「少しイラストも載ってるしAさんの事を話してるから会社とか編集長さんには内容の確認はいってるはずなんだよ。つまり編集長さんは絶対これを読んでるし、その上でこの記事がアップされてるんだから認めていないはずがないよね?

ぶっちゃけ、この記事は俺に関しての内容がほとんどだけど間接的に俺がお世話になってる出版社のイメージアップにもなるじゃない?別に全部本心だし狙ってこんなこと言ったわけでは決してないんだけど、結果的にね?

こんなことを言ってくれる作家の事はさすがに切らないと思うしー、これを作家に言わせたAさんのことも悪いようにはしないと思うなー」



佐久間さんは含み笑いだ。

少しずるい考え方ではあるけど事実でしかない。きっと編集長や上の人は喜んでこの記事を送り出しただろう、自分で言う話ではないんけど。

でも、別に今回みたいな事件が起こると分かってこのインタビューに答えたわけでもない。つまりここに書かれている内容は全て佐久間さんの本心で。


それが、本当に嬉しかった。



「……やり手ですね」

「まぁシナリオ考えるのは得意だから?これでも漫画で食べてるんで」



悪戯に笑った佐久間さんと共に静かに笑った。

この後、普通に仕事の打ち合わせや下書きのチェックをして佐久間さんをお見送り。最低限の仕事を終わらせてから定時ぴったりにすぐ帰宅。

編集長はずっと席を空けていた。

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設定タグ:SnowMan , 阿部亮平 , 深澤辰哉   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ぽぷら | 作成日時:2023年9月2日 23時

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