陰キャとさくまの水曜日 (ページ6)

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目黒くんの言う通り特に飲み会で騒ぐ陽キャ集団はほんっとに嫌いだ。目黒くんや康二くんはまだ女性からだからたかが知れてるけど、私がたまに絡まれる大学生の兄ちゃんたちとか若いサラリーマンやおじさん達は本当にしつこいしうるさい。

働くって面では友達もできたし時給はそれなりに高いしいいけれど、そういう面倒くさいお客さんに絡まれるのはきつい。そのおかげで軽くスルーする術はそれなりに身についたと思うけど、だからって遭遇したくはないものだ。

「何でまたそんなこと聞くの」

「さっき大学で陽キャに絡まれて。嫌だな～って思ったから」

「ナンパ？モテ期じゃん。笑」

目黒くんが少し面白そうに呟いた。
それで私はまた顔を顰める。

「やだやだ、勘弁」

「建築に変なやつでもおるん？」

「ダンスサークルだよ、明らかにウェイ系の集まりじゃん」

今度は康二くんがふーん、と興味がなさそうに呟く。

「でもダンス部だったって言ってなかった？」

「高校の部活と大学のサークルじゃ全然違うよ…ダンスは好きだけど陽キャは嫌いだもん」

まぁ…それは何となく分かる。
そう肯定してくれた目黒くんは丁度来店してきたOLさん達の対応をしに行った。

体育館が空いている水曜のバイトまでのちょっとした時間に踊っているのは踊ることを忘れたくはないからだ。でも大学のサークルは踊る環境が私に合ってない。

踊るなら本気で踊りたいし、そこにうぇいなテンションもアルコールもいらない。だったらあぁやって1人で黙々と踊っている方がいいのだ。

なのに、あのストーカー陽キャ。

お願いだからもう来ないでよ。