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りんごー、ごりらーとか言って
何故かしりとりをした。
妙に目黒くんの返しがトリッキーで難しい。王道のる攻めとかしてみて、またるかよ〜とか言いながらも返される。
なんだかんだ盛り上がっちゃう謎のしりとり。
ほんと、なんだこれ。
「いやー、これは素晴らしいね。お二人さんナイスやで」
しばらく響いていたシャッター音が止み、撮った写真を見せてくれた康二くん。その写真は凄く自然で何気ない日常を切り取ったような感じで。実はしりとりしてるって考えたらなんか面白い。
さすが、写真学科。
「ははっ、しりとりしてるとは思えねー」
「2人ともいい表情してるで！撮ってて楽しい！」
少なからずバイトの時よりは生き生きしている康二くん。その後も目黒くんと2人でいろんな場所でたくさん写真を撮られた。
「康二、すげぇ楽しそうだな」
「ね、写真好きなんだね」
「まぁ、ずっと俺ら撮りたいって言ってたし？」
「そうなの？」
適当に歩いて！って注文をされて本当に適当に歩きながらこんな事を話す。
「俺もだけど特にA」
「え、なんで」
「撮りたくなる雰囲気って言ってた。それに久々に会えて嬉しいでしょ、最近Aバイトいないじゃん」
「いや、まぁ…さっき見た通り課題忙しいんで」
果たしてそんなに康二くんは寂しがり屋なのだろうか。確かにシフトがあまり被らないのが続くと寂しいねんとは言われる。実は意外と人見知りなとこがあるらしいので私たちがいないと雑談相手がいなくなると考えれば…？
「Aいないとすげえ静かなんだから」
「え、うそでしょ。てか目黒くん相手してあげなよ」
「俺じゃダメなんだって。笑」
こんなことを話しているとはつゆ知らず私たちに向けてシャッターを切り続ける康二くん。可愛いとこあるんだなぁ、関西から1人出てきて心細いんだろうかとその姿を眺めた。
「はいおっけい！2人ともいい表情するなぁ、こりゃ俺の評価も爆上がりや」
「康二、カメラ貸して」
「なんや、めめも写真興味持ったか？」
急に目黒くんが駆け寄ってきた康二くんにカメラを借りて私にレンズを向けた。突然のことに動揺する私。
「康二、ほら」
「えぇ？」
「撮ってばっかだろ、たまには写りなよ。2ショット撮ってやる」
康二くんを私の横に促す。少し嬉しそうな顔をした康二くんはちょっと照れながらもじゃあちょっと失礼して、なんて言って私が座ってるベンチの隣に腰掛けた。
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2021年5月20日 2時
