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「あれ、Aちゃん今日休みよな?」
「しばらく入らないから来月のシフト希望出しに来た。っていう理由つけておこぼれ貰いに」
「あは、今日も暇やからいっぱいもらえるんちゃう?笑」
スタッフルームで休憩していた康二くんに遭遇、まさに賄いを食べていた。お弁当に使ったり、その日の夕飯にしたりとバイト先のおこぼれは食費削減に大いに役立っている。
「店長いる?」
「休憩中、多分外いった。待っとったらくるよ」
店長が不在なそうなのでルームでそれまで待つことに。康二くんと雑談をしながら空腹に耐えているとそれを見かねたのか賄いを一口くれた。ごめん、ありがとう。
「しばらく入らんってことは課題か?」
「うん、ちょっと今回大変でさ…」
「そうかぁ、この時期どの学科も忙しいイメージあるからな」
「そういえば、康二くんの課題は?」
あれから少し経ったけどまだ話は進んでいない。彼の言う通り建築だけでなく全体的に課題やらテストの期間なので少しだけ心配になって聞いた。
「あ、そうや。ちょうど連絡しようとしてたねん。大体俺ら水曜入るやろ?それで木曜休みやから来週の木曜にどうかと思て。めめは大丈夫やっていうからAちゃんがいいならその日にしようかと思っててんけど」
「あーいいよ、どうせ建築棟籠ってるし」
「ごめんなぁ忙しいとこ」
「ううん、ちょっと考えすぎてやられてるからリフレッシュになると思う」
「可愛く撮ったるから、楽しみにしとき」
康二くんは何故か嬉しそうだった。
写真、撮るの好きなんだなぁ。
今回ほどじゃないけれど、私はいつも課題の期間は基本的にしんどい。終わりの見えない模型作りに心が折れそうになるし、楽しく作れたらどれだけいいだろうか。
「あぁ課題早く終われぇ…」
「あはは、俺もバイトにAちゃんおらんの寂しいから無事に乗り越えてほしいなぁ」
「康二くんって優しいよね…」
「当たり前やろ、俺は優しい関西人や」
その後、現れた店長に賄いとたくさんのお惣菜を貰い、大満足のお腹とお惣菜を持って帰宅した。やばい、ダイエットしようとか思ってたのに。
そしてシフトを出すのも忘れた、ポンコツ。
家でも課題の構想を考えてみたけれど結局何も思いつかず。作業だって家だと捗らないから諦めて寝た。翌日起きてからも頭の中は課題の事でいっぱいで、お惣菜を貰ってきたのに結局お弁当は作らず大学に行った。
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作者名:ぽぷら | 作成日時:2021年5月20日 2時