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またしばらくして様子を見に行けば相変わらずしんどそうな顔して眠ってる阿部ちゃんと、その横から動かない康二。ただ少し違うのは康二がカメラを持ってどうやら写真を見ているようで。
「人がしんどそうなとこ撮るとか趣味わる」
「…撮っとらんわ、なんでわざわざ苦しそうなとこ残すねん」
彼のカメラ画面に映っているのは阿部ちゃんの写真だった。そういえば昨日見せてもらった。康二が力を使って、照曰く“森の妖精”だと。
「なんかやましいことでもあんの？またあんときみたいに阿部ちゃんになんかしたとか？」
「掘り返さんといてよ…反省しとるんやから」
「はは、別に誰も気にしてないけどさ。どしたの」
あの日、しばらく手の震えが止まらなかったらしい阿部ちゃん。康二の言う通り翌日にはもうすっかり治っていたんだとか。
慣れてしまえばめちゃくちゃかまちょだった康二は若干ここの人たちにあしらわれるようになってきたんだけど、優しさゆえに全部受け止めてしまう阿部ちゃんとは一緒に居やすいようで。
気付けば一緒に遊びに行ったりよく話す仲になっていたもんだから、俺から見てもなんだかゼロの仲間であり新しい友達が阿部ちゃんにできたように見えていた。
「どういうこと？」
「ん、なんでそんな気にしてんのかなーって」
「するやろ、しんどそうなんやもん」
「うん、そうだけどさ。分かるっしょ？」
康二だってこの様子を見られたらおかしいと思われるであろうことなんて分かるはずだ。横目で見つめてみれば一瞬それを目線で返し、はぁとため息をついてカメラを置く。
「……阿部ちゃんと俺の秘密や」
「なんだよそれ」
「俺にしか分からへんよ」
何だかその言葉は攻撃的に放たれたような気がした。真意は分からないけれど、まるで「お前は阿部ちゃんの事を何も分かってない」と言われたみたいだった。
思わず固まってしまった俺をもう康二は見ていない。
「……多分な、明日には熱も下がると思うで」
「お前…やっぱ阿部ちゃんになんか」
「しとらんって。するわけないやんか」
少し強めに言った康二。そのせいなのか何なのか、阿部ちゃんがゆっくりと目を開けた。康二はすぐにいつもの様子に戻って「あべちゃーん、具合どうやー」と声をかける。
「……飯と薬持ってくるわ」
聞こえているか怪しいほどの声量で呟いた俺は阿部ちゃんの部屋を出る。なぜか俺に残った気持ちは“悔しい”だった。
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ぽぷら(プロフ) - 美里さん» 美里様。お読みいただきありがとうございます！お返し遅れてすみません💦楽しんでいただけてるようでとっても嬉しいです。完結までよろしくお願いします(^^) (2023年3月31日 16時) (
レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - ayaさん» aya様。いつもありがとうございます！お返し遅れてすみません💦コメントしていただいた時よりだいぶお話が進んでますが楽しんでいただけてますでしょうか(^^)やっとこラストスパートですのでぜひ完結までよろしくお願いします！ (2023年3月31日 16時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
美里(プロフ) - 既にずっと面白いですが更に面白い展開になってきてわくわくそわそわです！いつも楽しく読ませていただいてます(^^)これからも応援してます！！ (2023年2月18日 22時) (レス) @page36 id: aee62fe4fc (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 今回のお話ものめり込んで読んでいます！1人ずつ仲間になっていく感じも大好きです！ヒヤヒヤドキドキのシーンでおあずけ〜(°▽°)みんなどうか無事でー！！ (2023年2月12日 19時) (レス) @page17 id: ff23500b61 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - 萌葱さん» 萌葱様。コメントありがとうございます！引き続きお付き合いいただければ幸いです(^^) (2023年2月12日 15時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2023年2月7日 21時
