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外はあの日のように土砂降りの雨だった。
そんなのにも構わず私は必死に走る。
だめだ、サクマが…サクマが殺される！！！
軍の場所なんて分からないくせに、サクマが連れていかれたあの方向に懸命に走った。そんなの嫌だった、サクマがいなくなったら私はこれからどうすればいいの？ほんとうに一人ぼっちになってしまう。
「サクマぁ！！おねがい！！生きてて！！サクマ！！！」
ザーザーと突き刺す雨の音。とっくにびしょぬれの身体。届くわけのない叫びを発して、ただただ走った。
でも、数日の間殆ど何も食べてない私の身体が耐えられるわけもなく。
「やだ…サクマ……サクマ……！」
水溜りに身体が叩きつけられ、上から雨に打たれ。
「サクマ…ねぇ……サクマ……会いたいよ…助けてよ……」
惨めなほどにもがく私を雨は容赦なく突き刺していく。あの日のように見つけた！って…太陽みたいな笑顔で私を迎えに来てよ……
「サクマ…サクマぁ……」
全身が痛い。もう動かない。
水溜りの中視界がゆらゆらと揺れていた。
サクマと会えないなら、もう一緒に居られないなら。
このまま死んでしまうのも本望だなんて。
ぴしゃ、ぴしゃ
そんな時、水溜りのなかを歩く音が聞こえた。
「さ、く…ま…？」
最後の力を振り絞って、その顔を上げた。
でも
そこにいたのはサクマとは全く違う、あまりにも冷淡な目で私を見下ろす誰か。徐にナイフを取り出し、雨の中でもキラリと光ったそれをスッと上にかざした。
あぁ、そうか。
サクマ、あの世で会えるかな？私が先かな？それとも待ってくれてる？
ぴしゃん、とまた顔を水溜りに投げた私は自然と笑っていた。いや、ほくそ笑んでいたのかもしれない。こうなる運命ならば結果的にサクマとずっと一緒に居れるじゃないか。
ねぇサクマ、今度こそ離れないでね。
私はゆっくりと目を瞑った。
「なにしてやがんだてめぇ！！！」
ガンっ！
まるで“機械”がどこかに投げつけられたような音。
「おい！A！しっかりしろ！！A！！」
ぐっと身体が持ち上げられた気がした。
「照兄！！危ない！！」
「って……」
そしてそのままゴロンと包まれているそれと一緒に倒れ込む。
「A！A…！兄ちゃんいるからな！！大丈夫だから…！」
誰かが叫んでいる、それだけが分かって。
そのまま私は、サクマの元へ旅立ったはずだった。
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ぽぷら(プロフ) - kokoaさん» kokoa様。コメントありがとうございます(^^)お返し遅れてすみません…楽しんでいただけてこちらも嬉しいです。移行先の4章でも佳境に入っていますので、引き続きよろしくお願いします！ (2023年1月8日 19時) (
レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
kokoa(プロフ) - 何様なんだって言われそうですけど、構成も言葉選びも表現力も全部大好きです。ここ数日すごく忙しかったのですが、その合間を縫ってでも読み進めたいほど素敵な作品で、後半は涙が止まりませんでした。この後も楽しみにしています！ (2023年1月1日 22時) (レス) id: 5cf1c692fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2022年12月17日 22時
