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「えっ…？」
一瞬で軒下から突き飛ばされた私は目に飛び込んできた光景に固まってしまう。ガンっ、ガンっ！と鈍い音とともに誰かがサクマを殴っていたからだ。
「さ、サクマ！！ちょ、やめて！！！」
急いでそこに駆け寄って殴ってる男に縋った。するとその男はくるっと向きを変えて私に向かって拳を……
「ダメ！！ヤメテ！！！」
殴られる…！そう思って目を瞑った。でも
「うっ……」
「サクマ……！」
私に覆いかぶさってその衝撃を受け続けるサクマがいて。
「サクマ…！サクマ！！！」
「だい、じょぶ、だよ……？」
「ねぇやめてよ！！！なんで！！！」
「サクマ…A…まもる、から…ね？」
サクマに隠れてその男は見えないけれど、顔を歪めて苦しそうに声を漏らすから。ひっきりなしに殴られている事は分かるしあまりにもサクマが痛そうで。
バンッ、バンッ！！
ただでさえパニックなのに後ろで聞こえたその音に身の毛がよだつ。それは間違いなく銃声だった。
「え…なに…なんで……？」
「だ、ダメっ！！」
サクマを助けたくて、あの銃声から逃げたくてサクマの影から抜けようとしてもサクマは私を守るようにぎゅっと私を包むように抑える。
目の前には苦しそうなサクマ。周りからは相変わらず叫ぶ声と銃声。
「なに…なんなの…ねぇ！！」
訳が分からなくてただサクマの辛そうな顔を見ることしかできない。それが辛くて、雨ではない別のもので頬が濡れ始める。
「サクマ！サクマ！！！」
「こ、わく…ない、よ？サクマ、いる…から……」
確かに怖い。周りの叫び声と銃声と訳の分からないこの状況。でも一番つらいのは殴られ続けるサクマの苦しそうな表情を見ることで。それでも必死に私を守ろうと、安心させようと声をかけ続けるサクマの声を聞くのが悲しくて。
グシャっ
今までとは違う音が聞こえた。
怖くなった私はその音のした方に目線を向けて
「サクマ！！」
「ウッ…グッ……」
男の拳がサクマの横腹辺りにめり込んでいた。そこから見える肌ではない銀色の何か。
「やめて！！お願いだからやめて！！！」
このままじゃサクマが…！
サクマが私を抑える力を一瞬弱めたのを見計らってそこから抜けた。そしてサクマを殴っている男を引きはがそうとする。
その時
「ダメ！！！逃げて！！！！」
サクマがそう叫んでその男から一度逃げると
一発の銃声が響き渡る。
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ぽぷら(プロフ) - kokoaさん» kokoa様。コメントありがとうございます(^^)お返し遅れてすみません…楽しんでいただけてこちらも嬉しいです。移行先の4章でも佳境に入っていますので、引き続きよろしくお願いします！ (2023年1月8日 19時) (
レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
kokoa(プロフ) - 何様なんだって言われそうですけど、構成も言葉選びも表現力も全部大好きです。ここ数日すごく忙しかったのですが、その合間を縫ってでも読み進めたいほど素敵な作品で、後半は涙が止まりませんでした。この後も楽しみにしています！ (2023年1月1日 22時) (レス) id: 5cf1c692fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2022年12月17日 22時
