必ず言うと ページ32
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サクマは首を傾げていて何のことだか分かっていないよう。そんな彼を見て微笑んだ阿部ちゃんはまた目線を私に戻す。
「ふっかも心配してたよ」
「え？ふっか？」
「午前中近くで用があったからついでに遊びに行ったの。最近来てないなって言ってたからまぁ、こんなことがあってって」
「あー……確かに色々重なって行ってないや」
「落ち着いたらあっちにも顔出していいかもね」
ふっかが心配するなんて想像できないけれど。明日にでもサクマを連れて行こうかと窓の外を見る。さっきまで晴れてたんだけどちょっと雲が厚いかも。明日は雨かな、望遠鏡で月をまた見せてあげたかったんだけど。
「ねぇA」
「ん？」
「サクマと一緒にご飯たべたい？」
窓の外で流れる雲を見ているとそんなことを聞かれた。阿部ちゃんは柔らかく微笑んでいる。
「あー…まぁ、食べれるなら一緒に食べれた方がいいのかなぁ」
「まだちょっと先になると思うけどね」
「サクマも美味しいって感じられるの？」
「うん、そうしたいと思ってる」
何回か想像したけれどその時は夢の話だなって想像すらすぐにやめていた。なんだか現実味が感じられなくて。
「なら…食べたいかな」
でもできるかもしれない。そう思うと嬉しくて。
「そっか、じゃあ頑張るよ」
「何かサクマのこと見てく？」
「時間とかいいの？買い物してきたんでしょ？」
「まぁ、そんなに遅くは無理だけど今日二人忙しそうだしあと一時間くらいなら」
そういえば昨日は結局サクマをちゃんと見切れていないはずだ。夕飯も手の込んだものを作る予定はないし、兄と康二も作業に没頭してる様子だったから。
「んー、じゃあちょっと見せてもらおうかな？」
立ち上がった阿部ちゃんは自分のコーヒーをぐっと飲みほしてカップを片付けに行く。そしてサクマおいでーと地下の方に。
「Aはゆっくりしてな？」
「あ、そう？」
「元気そうだけど病み上がりなわけだし、まだ飲み終わってないでしょ？」
手元のコーヒーはまだ半分ほど残ってて。地下に居ても多分作業する阿部ちゃんをじっと見てるだけになるからお言葉に甘えてこちらで待ってることにした。
サクマとご飯か。
今までは私の食べてる姿を見て「よかったねぇ」とニコニコするだけだったサクマが一緒に同じものを食べれるかもしれないのか。
そしたらカフェなんかにも二人でいけるかな？
いつかの将来に胸を膨らませながら、コーヒーを啜った。
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ぽぷら(プロフ) - kokoaさん» kokoa様。コメントありがとうございます(^^)お返し遅れてすみません…楽しんでいただけてこちらも嬉しいです。移行先の4章でも佳境に入っていますので、引き続きよろしくお願いします！ (2023年1月8日 19時) (
レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
kokoa(プロフ) - 何様なんだって言われそうですけど、構成も言葉選びも表現力も全部大好きです。ここ数日すごく忙しかったのですが、その合間を縫ってでも読み進めたいほど素敵な作品で、後半は涙が止まりませんでした。この後も楽しみにしています！ (2023年1月1日 22時) (レス) id: 5cf1c692fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2022年12月17日 22時
