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そのお菓子を口に入れるとあの時のイメージより遥かに甘く感じて。確かに半分で十分だと思った。
「…あま」
「んね、こんな甘かったっけ？コーヒー淹れよっか」
それは彼も同じだったみたいで、平気そうにもぐもぐしつつも立ち上がる。黙って頷く私の顔が険しかったらしく「もうちょっと美味しそうに食べて、笑」と困ったようにまた笑った。
そんな時
「…あ」
何かと目が合う
「ん？…あ、サクマー？」
まだぽけっとしつつもサクマがこちらを見ていた。それに気づいたのか阿部ちゃんはキッチンの方から声をかける。
「起きたー？ねぇバッテリー分かんなかったー？」
「いやこっち来て話しかけなよ…」
ぽやぽやしている機械にその距離感で伝わるかって。案の定サクマはぼーっと私を見つめているだけだった。
「まだ半分寝てるよ」
「あー、やっぱギリ切れてたのね。一回切れちゃうと再起動ゆっくりなんだよね」
サクマの目の前に来た阿部ちゃんは手を振りながら話しかけ続ける。私を見ているようだったけど実は目を開けただけで全然起きてはいなかったのかもしれない。
「サクマー」
「……はぁい」
「お、きた」
しばらくして阿部ちゃんの呼びかけに答えたサクマ。きょろきょろと周りを見渡して、そしていきなりスイッチが入ったかのように
「あ！あべちゃん！！！」
「…うるっさ」
と叫んだ。生みの親を視界に入れて嬉しそうに声を上げたサクマの声はバカでか。
「あー待って待って、まだ充電できてないからこのままね」
勢い余って立ち上がろうとしたサクマを座らせた阿部ちゃん。そして隣に腰かけると私を指さす。
「ほら、A」
「あ！Aー！！！」
だからうるっさい！
「阿部ちゃん声量の加減してよ……」
「あはは、それはサクマ次第だもん」
やっぱり機械人形が大好きなのか。阿部ちゃんは迷惑そうな私を前にしても楽しそうだ。
「ねぇサクマ、充電しなかったの？元気なくなっちゃったでしょ？」
そしてまた背中を覗きつつそう聞いた。
サクマはその問いに首をかしげて、そして目線をきょろきょろと動かして何かを考え始めた。繋がれて身動きが取れなくても表情だけでうるさい機械人形だ。
「うーん？」
「バッテリー減ってるの分かんなかった？」
それって機械人形に聞いて分かるものなのか。私は自分より何倍も機械人形に詳しいのに、そう聞く阿部ちゃんにさえも呆れ始めていた。
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ぽぷら(プロフ) - hanakoさん» hanakoさん。コメントありがとうございます！序盤でそんなに気に入って下さるなんて嬉しいです……！私の文章で少しでも楽しんでいただけたらそれほど嬉しいことはないです。ぜひ今後の更新もよろしくお願いします！ (2022年11月28日 22時) (
レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - りかちゃまさん» りかちゃまさん。コメントありがとうございます！ほんとですか！よかった〜まだ序盤ですが、今後もよろしくお願いします！ (2022年11月28日 22時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - ちゃそさん» ちゃそさん。お待たせいたしました〜！ぜひ今作もよろしくお願いします！お気遣いありがとうございます…！ (2022年11月28日 22時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
hanako(プロフ) - この序盤で既に泣きそうです、、。世界観に浸ってしまいますし、ぽぷらさんのお話は毎回心に刺さって本を読むことが嫌いなわたしでも文章を読むことが好きになりそうです泣続きも楽しみにしております！ありがとうございます！ (2022年11月16日 0時) (レス) @page8 id: 51201bff50 (このIDを非表示/違反報告)
りかちゃま(プロフ) - 世界観がすごく好きですж･｡(･▽･*)･｡+更新楽しみにしてます！ (2022年11月15日 18時) (レス) id: 09587eedf4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2022年11月14日 20時
