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何とか見つけ出したシャボン玉を買って外に出た。いつぶりだろうか。というか私シャボン玉なんてやったことあったっけ。
昔の記憶を探ってみるもののその記憶なんてものは見つからず。むしろ思い出したくないことが頭に流れてきて焦って首をぶんぶんと振った。
流石にぱっと見普通の大人な私たちがあの親子に並んでシャボン玉をするのは恥ずかしいので、少し離れた場所まで移動してちょうどいいベンチに腰掛けた。サクマは私が袋を開ける様子までガン見していて、とにかくワクワクが止まらないようだ。
「はやく！はやく！」
「はいはい」
シャボン液に棒の先を付けて、優しくふーっと吹いてみた。すると、さっき見たのとそっくりなまあるくてキラキラしたものがふわふわとあふれ出す。
「うわぁ！」
そのシャボン玉を見るサクマの目もキラキラと輝いていた。初めてのものを見る時って、こんなにも目がキラキラとするんだなぁと。
「はい、やってみな」
夢中で私のシャボン玉を目で追いかけたりつんつんしたりするサクマに液を付けた棒を握らせる。それを見たサクマは首をかしげて、助けを求めるように私を見た。
「ふーって」
「ふー？」
「息吹くの、こうやって」
袋に入っていた別の棒をもって、口に近づけてふーっとわざと声を出しながらお手本を見せる。するとサクマは恐る恐る握っているものを口元に
「ふーっ！」
「……ぷっ」
彼にとっては私の真似を忠実にしただけなんだろうけど、声出しちゃってるしあまりにも息が強すぎるしでシャボン玉は一切出てこない。
「んえぇ？」
「ふふっ、サクマ、やさしく」
「やさしく？」
「そう、ふーって」
ふーっ、ふーっ、と何度もトライするサクマ。でも機械にとって加減をすることは難しいのか全くうまくいかず。
それでも首をかしげながら健気に吹き続けるサクマの様子に面白くなってしまって、私は申し訳ないと思いつつも笑ってしまっていた。
「くくくっ…サクマ、強いのよ」
「んー？ふーってやってる…」
「うん、うん…そうなんだけどさ…ふふっ」
何度も何度も吹き続けたサクマ。しばらくして吹くのをやめた彼に諦めちゃったかなぁと笑いを堪えるために俯いていた顔をあげると
「…え？」
「んふふ！Aわらってる！」
「へ…」
「Aわらってるの、サクマ嬉しい！」
しょげているわけでもなく、この機械人形は太陽にも負けないくらいの明るい笑顔を私に向けていた。
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ぽぷら(プロフ) - hanakoさん» hanakoさん。コメントありがとうございます！序盤でそんなに気に入って下さるなんて嬉しいです……！私の文章で少しでも楽しんでいただけたらそれほど嬉しいことはないです。ぜひ今後の更新もよろしくお願いします！ (2022年11月28日 22時) (
レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - りかちゃまさん» りかちゃまさん。コメントありがとうございます！ほんとですか！よかった〜まだ序盤ですが、今後もよろしくお願いします！ (2022年11月28日 22時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - ちゃそさん» ちゃそさん。お待たせいたしました〜！ぜひ今作もよろしくお願いします！お気遣いありがとうございます…！ (2022年11月28日 22時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
hanako(プロフ) - この序盤で既に泣きそうです、、。世界観に浸ってしまいますし、ぽぷらさんのお話は毎回心に刺さって本を読むことが嫌いなわたしでも文章を読むことが好きになりそうです泣続きも楽しみにしております！ありがとうございます！ (2022年11月16日 0時) (レス) @page8 id: 51201bff50 (このIDを非表示/違反報告)
りかちゃま(プロフ) - 世界観がすごく好きですж･｡(･▽･*)･｡+更新楽しみにしてます！ (2022年11月15日 18時) (レス) id: 09587eedf4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2022年11月14日 20時
