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「妖怪たちだって色々してくれてたけどさ、この前も言ったけどあいつらも優しいから強く言えないの。俺しか阿部ちゃんを元の身体に戻そうと働きかけてあげられる人がいない。人間の世界に生きる立場として戻る場所をつくってあげなきゃいけない。自分は阿部ちゃんの命背負ってる立場だとすら思ってた。阿部ちゃんのことは心から大切だけど、その分それがすげぇ重くてさ、しんどかったよ」
ふっかさんが語り始めたこと。多分彼の中のずっと奥にあった本音。それを初めて、声に出しているんじゃないだろうか。
「あいつらも阿部ちゃんも俺が辛そうにしてたら絶対不安になんじゃん？それもあったけど、一番は俺が強がってないとやってけなかったんだよ。ヘラヘラして康二とか照に怒られて、それでもヘラヘラして。俺の精一杯の強がり。Aちゃんにも余計なことたくさんしたよね？ごめんね」
「別に…そんなこと思ってないですけど」
「そう？俺結構怖かったんだよ。Aちゃんが来てくれて阿部ちゃんの事がいい方向に向くかもしれないって感じた時にちょっと安心したんだけどさ、でもAちゃんに辛い思いさせてしまうかもしれないとか、俺は何もしてやれないのかって。下手したら失うものがもっと増えちゃう気がして怖かった」
私がこの場と関わりを持つようになったこと。それはふっかさんに良くも悪くも影響を与えていたみたいで。色々な感情を抑えながら私と、そしてみんなと過ごしていたんだと思うと心臓がギュッとなる気がした。
「何回もあいつらにバレないように阿部ちゃんの病室行って、あそこですっげー沈んでた。あそこが唯一しんどい自分のままでいれる場所だったからさ？ひどい時は泣きそうになってたよ。俺がだよ？信じられる？笑」
「……無理してそういうこと言わなくていいです」
「ふはっ、もう癖になってんのよね。こうやって強がんの」
阿部くんも、私も、そしてふっかさんも。
それぞれがそれぞれの苦しさを抱えて、それを隠して過ごしてきた。その事実が明るみになった時に思うのは
人間として生きるのって、本当に難しい。
人間と生きるのも、難しい。
「……俺、頑張ったよね」
でも人間を一番支えられるのは人間なんだろう。
「ふっかさん、みんなの様子見に行きましょう。支えてくれませんか」
結局私のプリンは少しも減らず。お揃いの傷をつけた私たちはこっそりと廊下に出る。
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小袖(プロフ) - ほんとに良すぎてふつえの小説として売り出して欲しいほどの満足感でした！伏線回収に気づいた瞬間が気持ちよくて、たくさん設定などを考えて時間をかけて作った作品なんだなと感じました。また他の作品もいくつか読ませていただいてますがどれも素晴らしいです！ (8月16日 13時) (
レス) id: 67585063eb (このIDを非表示/違反報告)
吹雪(プロフ) - 何度もループして読ませて頂いています！番外編も是非読んでみたいと思いTwitterフォロリク送りました。お手隙の際に承認して頂けると嬉しいです。これからも応援しています！ (2023年3月7日 1時) (レス) @page50 id: 828447a6ad (このIDを非表示/違反報告)
れみ(プロフ) - いつも素敵なお話読ませて頂いてます！ほんとにどれもいい作品で感動して涙が止まらないことも多々です、番外編なども読みたいと思ってしまったのでTwitter同じ名前でフォロー致しました、！承認していただけたら嬉しいです！これからも応援しています！だいすきです！ (2023年2月7日 5時) (レス) id: a15df57567 (このIDを非表示/違反報告)
akiaki(プロフ) - (続き) このお話のおかげでちょっと日常が楽しく､優しく思えました。素敵なお話ありがとうございました。 (2022年9月23日 9時) (レス) id: aa9a6e18cc (このIDを非表示/違反報告)
akiaki(プロフ) - はじめまして。もうアニメ化しません？って言いながら読んでいました。小説家さんなのでしょうか、気づかせるための伏線も泣かせるための伏線も上手すぎます。物語の感想じゃなくて申し訳ないのですが､このお話が紙の本として手に取りたくてしょうがありません｡(続く) (2022年9月23日 9時) (レス) id: aa9a6e18cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2022年6月24日 23時
