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「あのね、あの男の人阿部ちゃんが見つけて俺が力をかけた人なの。昨日たまたま街を嬉しそうに歩いてるの見かけてさ、その力が効いてたのが分かったから少し着いてってみたんだよねー」
看護師さんやお医者さんに囲まれて笑う2人はまさに幸せそうな雰囲気で。
「多分ね、あの人の"幸せ"はあの彼女さんが元気になること」
「彼女…あの女の人だよね？」
「うん。ずっと入院してたみたいでさ、何なら助からないかもーってところまでいってたっぽい」
「じゃあさっくんの力で助かったんだね」
「んへへ、嬉しくて2人に見せたくなっちゃった〜」
ペコリと会釈をして、病院に背を向けて歩き出す2人。看護師さんも笑顔で手を振り、女の人は控えめながらも嬉しそうに振り返している。
何とも微笑ましい光景だ。そして、さっくんの力の素晴らしさを思い知る。
「よかったね」
「阿部ちゃんのおかげー」
「俺は何も」
「何言ってんの。阿部ちゃんが見つけてくれたから結果的に1人の命救ったんだよ？あの男の人だけじゃなくて、彼女さんもその周りの人も幸せになったと思うよ」
阿部さんは黙ってその2人を見つめていた。その表情からは何も読み取れなくて。私からしたらかなり微笑ましい光景だけど、阿部さんはどう思っているのだろうか。
「佐久間」
「ん？」
「俺ちょっと用事思い出した。Aちゃんと一緒に神社戻ってあげて」
「夕飯は？」
「分かんない」
阿部さんはそう言い残すと去って行く。表情はずっと固いままで、あの優しい阿部さんがこの光景を見て表情を緩めないのに違和感を感じた。
「んー、ダメかぁ」
「ダメ？」
「ううん、帰ろっかー」
さっくんは苦笑いをしながら神社の方へと歩き出した。私が並んだ時には既にいつものニコニコ笑顔に戻っていたけれど。夕飯何だろうねーって、そんなたわいもない話をしながら森の入り口へと戻る。
「さっくんも乗るか？」
「おっ、じゃ久々に康二に連れてってもらうかー」
「速いの好きやろ？ご主人様つかまっててなー」
「えっ……」
康二くんが思ったより早かったなぁと出迎えてくれた。普段自分でふわんと移動するさっくんは高速移動をご所望だったらしい。康二ジェットコースター！なんてはしゃぐさっくんの後ろで、私はまた阿部さんと降りた時のように彼の体に思いっきり抱きつきながら振り落とされなように必死に衝撃に耐えたのだった。
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柊(プロフ) - 19ページ目の、阿部ちゃんがこーじをたかいたかいしてる画が想像できてしまって幸せです。皆が最高過ぎて読み進める手が止まりません笑笑 (2022年8月28日 22時) (
レス) @page19 id: 27767aadd1 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - みぃ。さん» 初めまして！コメントありがとうございます！小狐さんと白狐のギャップ、いいですよね🦊ぜひこれからもお楽しみいただければと思います！ (2022年5月21日 5時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
みぃ。(プロフ) - はじめまして！タイトルに惹かれて読ませて頂きました。すごく面白くて一気読みしました！小狐の彼、想像できて可愛い！それで九尾の白狐って、カッコ良すぎます！続きも読ませて頂きます！ (2022年5月18日 17時) (レス) @page50 id: fb4296a570 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - cotyさん» はじめまして！コメントありがとうございます😊気に入っていただけてよかったです〜！少しゆっくりにはなってしまいますがこれからもお楽しみいただけると幸いです！ (2022年4月10日 11時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - ayaさん» こんにちは！いつもありがとうございます☺️怖さよりはほっこり感が強めなので今更ですが安心して読んでいただけると（笑）おかっぱの彼、よく考えれば十四松……🟡 (2022年4月10日 11時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2022年3月8日 21時
