言葉と表情と ページ20
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「Aちゃんお仕事何してるの？」
皆さんがわいわいしながらご飯を食べているのを眺めながら自分もそれを頂いていた。ずっと黙っている私に気を使ってくれたのか深澤さんが問いかける。
「一応Webデザイナーやらせてもらってます」
「あれ？阿部ちゃんと同じ？」
佐久間さんが隣の阿部さんに目線を移す。
「ううん、俺はWebエンジニア。同じ業種だけど職種が違うね」
「何が違うの？」
「説明してもいいけど佐久間絶対飽きるよ」
「じゃあやめとくー」
意外とあっさり聞くのをやめた佐久間さんはごはんを口に詰め込んだ。空腹を感じないって聞いたけどめちゃくちゃお腹が空いていたかのように一生懸命もぐもぐしている。
「同業者さんだったんだね」
「全然下っ端ですけど……」
「会社勤め？」
「はい」
「そっか、俺フリーランスだからさ」
フリーランス。Web業界にいると必ず耳にする言葉。私は1人で仕事をこなせる自信もなければ諸々の管理もできっこない。それにこんな駆け出しデザイナーに仕事が来るわけないと他人事にしか思っていなかった道。
「……凄いですね」
「えー、俺は会社勤めの方が凄いと思うけど」
「何でですか？」
「だって会社の中で人間関係を構築しながら仕事もこなしてるなんて凄くない？確かにディレクターとかデザイナーがすぐ隣にいて連携できるのはいいかもしれないけど、俺は自分の世界に没頭しちゃうから絡みづらいとか思われちゃいそう」
阿部さんはそう笑って煮物をぱくっと口に入れた。その人間関係という言葉に思い出したのはあの先輩。そう、私はいい関係を築いてきたつもりだった。あの先輩とも、会社の人とも。
「まぁ、できてるかできてないかは別としてですけどね」
できているつもりだったけどそれはあっけなく崩れてしまって。あれから何事もなかったかのように仕事を続けている先輩が信じられなかった。ただ、周りが先輩の功績だと信じて疑わないのも、これは私がやったんだと自分が言い出せないのも今まで私が大したものを残していないから。今回だって正直こんなにいい結果になると思わなかった。
「俺はできないからフリーランスになった。逃げたんだよ」
食べる手を止めて悶々と考えているとそれを裂くように聞こえてきたその言葉。びっくりして顔を上げると、その言葉を発した本人は何も変わらない様子でまた煮物を口に運んでいた。
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柊(プロフ) - 19ページ目の、阿部ちゃんがこーじをたかいたかいしてる画が想像できてしまって幸せです。皆が最高過ぎて読み進める手が止まりません笑笑 (2022年8月28日 22時) (
レス) @page19 id: 27767aadd1 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - みぃ。さん» 初めまして！コメントありがとうございます！小狐さんと白狐のギャップ、いいですよね🦊ぜひこれからもお楽しみいただければと思います！ (2022年5月21日 5時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
みぃ。(プロフ) - はじめまして！タイトルに惹かれて読ませて頂きました。すごく面白くて一気読みしました！小狐の彼、想像できて可愛い！それで九尾の白狐って、カッコ良すぎます！続きも読ませて頂きます！ (2022年5月18日 17時) (レス) @page50 id: fb4296a570 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - cotyさん» はじめまして！コメントありがとうございます😊気に入っていただけてよかったです〜！少しゆっくりにはなってしまいますがこれからもお楽しみいただけると幸いです！ (2022年4月10日 11時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - ayaさん» こんにちは！いつもありがとうございます☺️怖さよりはほっこり感が強めなので今更ですが安心して読んでいただけると（笑）おかっぱの彼、よく考えれば十四松……🟡 (2022年4月10日 11時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2022年3月8日 21時
