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未だに帰ると机の上を見てしまう。
もしかしたら返事が返って来てるのではないかとどこか期待をしている自分がいた。
彼があの災害に巻き込まれかどうかは分からない。本当はちゃんと生きているのかもしれない。
生きていたとしても、もう彼と言葉を交わすことができないのなら。いや、今も交わし続けていたとしても。
私が彼に抱いた恋心は虚しく現代を漂うだけで、苦しい日々が続くだけで。
私のその苦しみを写すかのように、私の涙を見て苦しんでいたふっか。その苦しみの対象は違えど、自身も苦しんでしまうほどに私に気持ちを向けてくれていた。
ふっかの気持ちを受け止めて
前に進む事が自分のためなのかもしれない。
ただ"リョウくん"への気持ちが残っている状態でふっかのそばにいるのは何だか違う気がして。
ただふっかと向き合いたいと少しでも思っている時点で、私のふっかに対する気持ちはただの同級生ではないんだと思う。
本当に、いつもヘラヘラしている何かと絡んでくる同級生としか思ってなかったのに。
『2人から3人のグループを組んでプレゼン資料を作る事。来週の授業で発表をしてもらう。前日までにその資料をPDFで提出するのを必須とする』
課題の概要をまとめたスライドを表示しながら
そんな指示を出す教授の声が聞こえた。
個人ではなく複数人での課題は初めてで、めんどくさいなぁとため息をついた。
その概要をメモってペンを置く。ふと隣のふっかを見ると居眠りをしていたはずなのにいつの間にか起き上がって前を見ている。
「だってさ、めんどいね」
「うん」
周りは次第にガヤガヤし始めて、一緒にやろうだの誰と組みたいだのと色々な声が聞こえてくる。
私も、誰かに声をかけなきゃ。
「……ふっか」
「ん？」
「一緒にやる？」
「うん」
すぐに返事が返って来た。
周りに向けていた目を彼に向けると、彼もまた私の方を見ていた。
「むしろ俺とやらない選択肢ある？」
ほら、いつもの調子でさ。
「……ない、のかもね」
彼は笑った。
ムカつくあの余裕を持った笑じゃなくて
本当に嬉しそうな、可愛らしい顔で。
「……こういうのは早めにやらなきゃ」
「その前に昼飯、学食いこーぜ」
「ふっか奢ってよ」
「しかたねーな」
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2022年1月28日 16時
