時を超えて、私の涙を拭う手は。 (ページ2)

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100年後の東京はどうなっているのか

涼しい風も暖かい風も送ってくれる

洋服を勝手に洗ってくれる

手紙なんて書かなくても
誰かと繋がることができる

そんな機械があるのだろうか

未来を覗いてみたい
僕が知らない東京を見てみたい

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「……何だこれ」

バイトから帰宅すると机に一枚の紙が置いてあった。そこには何だか時代を感じる字体でよく分からないことが書いてあって。

「風を送る？扇風機？いや、暖かいっていうならエアコンか……って、怖っ！なにこれ、えっ、だれかうち入った！？」

今朝ここで今日提出のレポートの確認をしたはず。その時にはこんな紙なんて置いてなかった。家を出る時はちゃんと鍵をかけたはず。だってさっきも鍵をあけて入ってきた。

少しの恐怖を覚えてその紙を手放す。
そしてくしゃくしゃにしてゴミ箱に捨てようとしたんだけれど

なぜか、そんなことしちゃいけない気がした。

じっとその文字を見つめて
私は最初にこの紙が置いてあった机に座る

吸い寄せられるようにペン立てへと手を伸ばし、ボールペンを取った私はその紙の裏にこんな事を書いた。

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風を送ってくれる機械は
エアコンかな。

洋服を洗うのは洗濯機。

手紙は今もあるけど
携帯電話があればどこでも誰とでも繋がるよ。

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「……何書いてるんだろう」

はっと我に帰る。

何なのか分からない文字に真面目に返答して。疲れてるのかもしれないなぁなんて、私はひとつため息をつく。

ちょうどその時、そこに置いていた携帯が震えた。手に取るとあいつからのメッセージ。

深澤辰哉今日のレポート出した?

「……懲りないなぁほんと」

これからの展開が予想できる。間に合わなかったから見せてーだ。もう締め切ってるのに。

時田A単位落としてしまえ

深澤辰哉そんなこと言わずに。可愛い辰哉くんからのお願いです。

不思議なのがこうやって提出を守ってないのに単位を落としていないところだ。頑張って間に合わせてる私の努力は何なんだ。

時田A学食奢りね。

深澤辰哉A大好き

時田A黙れる?

高校の時から相変わらずだ。結構受験勉強頑張ったのに。こんな感じのやつと同じ大学なのも何だか嫌な感じする。

私はまたため息をついてお風呂に向かった。