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「やっほ」
「あ、深澤さん…」
「俺頑張ってるくない？Aちゃんに追いついた。卒業同じタイミングだったりして」
あれから。
教習所のロビーで待ち時間を過ごしていると深澤さんはよく私に話しかけてくるように。確かに学科も同じのを受けてる時が多くなってきて、教習手帳を見ると進捗はほとんど私と同じくらい。
「あの…」
「ん？」
「ずっと気になってたんですけど、私下の名前教えましたっけ？」
深澤さんは本当にナチュラルに私の事をAちゃんと呼ぶ。ただ私は一回も名前を教えたことはないのだ。
「あー、高速教習の時さ？教官が持ってる資料見えちゃって」
「なるほど」
「ごめんね、嫌だった？」
「あ、いえ…全然平気なんですけど」
「仲良くしたいなぁと思ってさ」
深澤さんはあの綺麗な手で頬杖をつきながらこちらを見ていた。距離が近くて、眼鏡の向こうの瞳と視線が交わって何故か晒せない。
「高速教習一緒にした縁だし？あ、あの時生年月日も見えちゃってさ。年下だって分かったから逆に敬語だと気遣わせちゃうかなぁって馴れ馴れしく話しちゃってたけど。嫌だったかな」
「いや、全然」
「ふふ、いいんだ？」
「え…」
「あ、もうすぐ次の学科始まんね。行こ？」
垣間見える優しさと少しの強引さが交わって私を捉えていくようで。テキストを見ていた私が急いでそれをしまっているのを見て深澤さんはまた柔らかく笑う。
「そんな慌てなくても。笑」
「え？あ、いや…前座ると教官によく当てられるから早めに行って後ろの席とりたいなぁって…」
「あー確かにね。てか学生の時思い出すよねぇ、ちょっと青春味わってる感じする。スクールラブって？」
「へっ…？」
動揺を誤魔化すために咄嗟に言った言い訳。それにも優しく笑った彼は私が鞄を肩にかけて席から立った途端にそんな事を言った。
「俺学生ん時モテたんだよねぇ。特に高校生」
「そ、そうなんだ…」
「でも正直付き合うとかあんま興味なくて。でも今はもう大人だしねぇ、遅れてきた青春？」
深澤さんは眼鏡にかかる前髪を白くて細い綺麗な手でスッと分ける。そして私の方を見るとちょっと顔を近づけてこう言った。
「俺運転センスあると思うんだよね。だから卒業したら一緒にドライブ行きません？」
どうやら私に、運転させる気はないらしい。
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ぽぷら(プロフ) - なおさん» コメントありがとうございます！かなりお返しが遅れてしまってすみません💦楽しんでいただけたようで嬉しいです(^^)こちらこそありがとうございました！ (7月14日 1時) (
レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - ラウ担です。ラウちゃんがほんとにラウちゃんらしくて、ずっとラウちゃんの声が脳内再生されていて幸せでした！素敵なお話をありがとうございます！ (5月6日 22時) (レス) id: 61924ce533 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2021年11月30日 23時
