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「あの…私内定もらったの」
「え！まじ！おめでとう！よかったじゃん！！」
「うん…」
「この間のとこ？」
「うん」
ラウールくんは自分のことのように喜んでくれた。
私が最終的に納得できる所から内定をもらえたのは紛れもなく彼のおかげで。きっとあの日に彼が言葉をかけてくれなかったらまだ何となくで選んでた事務職の選考に苦戦してたかもしれない。
「いいなー！俺も頑張んなきゃ！もう少しだけ手伝って？決まったらめっちゃお礼するから！」
そんな彼はそう言って手を合わせている。あの教授の一言との矛盾がやっぱり起きていて。
「えっと…ラウールくん？」
「ん？」
「さっき教授がさ、私で最後だったって…」
「最後？」
「他のゼミ生はもう決まってるって聞いたんだけど…」
彼は私の言葉を聞いて笑顔を崩した。戸惑うように目線を動かして少し俯く。
「えっと、うん」
「決まってるの？」
「……決まってる」
「いや、聞いてなかったからびっくりして」
「ごめん！嘘ついてた！」
彼は勢いよくガバッと頭を下げた。びっくりして通った人たちも何事だとこちらを振り向く。
「い、いや別に怒ってないって！顔あげてよ！」
慌てて直るようにお願いすると申し訳なさそうにゆっくりと顔を上げる。相変わらずきゅるきゅるな目がさらにきゅるきゅるしてて、本当に同い年かなぁなんてちょっと呑気なことも思ったんだけど。
「……ごめんね」
「私が決まってなかったから気遣ってくれてたんでしょ？」
「あ、いや…それもなくはないけど…2人とも決まっちゃったら会う理由が無くなっちゃうかなぁって」
「え…」
「Aちゃんともっと一緒にいたかったから…」
申し訳なさそうだけど彼の言葉ははっきりしてて。何かを決意したように真っ直ぐ私を見た彼に、自分の中で見て見ぬふりをしていた感情が湧き上がる
「あの、俺…」
「決まっても一緒にいるよ」
「え？」
「内定祝いでもする？2人でご飯食べた事なかったよね」
私の言葉の意味を理解したらしい彼は、少し驚いてから照れたように笑った。
「言わせてよ…笑」
「ここじゃ恥ずかしいもん」
「じゃあ…誰もいない教室とか？」
そう言ってちょっと悪戯に笑った彼は恥ずかしいと言ったのに堂々と手を握って歩き出した。周りの目がちょっと…
客観視が得意なはずの彼なのに、それを気にする素振りもなく振り向いた彼は幸せそうに笑っていた。
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ぽぷら(プロフ) - なおさん» コメントありがとうございます！かなりお返しが遅れてしまってすみません💦楽しんでいただけたようで嬉しいです(^^)こちらこそありがとうございました！ (7月14日 1時) (
レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - ラウ担です。ラウちゃんがほんとにラウちゃんらしくて、ずっとラウちゃんの声が脳内再生されていて幸せでした！素敵なお話をありがとうございます！ (5月6日 22時) (レス) id: 61924ce533 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2021年11月30日 23時
