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ラウールくんと就職活動 ページ3




「……まじか」


ゼミ中。各々が作業したり、教授と話している時にこっそりと見てしまったメールに肩を落とす。

最終選考まで行った、もはや受かればここにしようと決めていた企業からのお祈りメールだった。

当たり前だけど、メンタルにくるなぁ。
ゼミ中に見るんじゃなかったと後悔しながら、手のつくはずがないゼミの課題に向かう。頭の中はまたエントリー増やそうかなぁとか、ES見直さなきゃいけないかなぁとか。そんなことばかり。


「大丈夫?」

「へ?」

「なんか具合悪いのかなぁって」


ゼミの時間も終盤に差し掛かり。パタンとPCを閉じたタイミングで話しかけてきたのは同じゼミ生のラウールくん。


「あ、いや平気だよ?」

「そう?ずっと浮かない顔してたからさ」


モデル並みの長身に整った顔。黒目が大きくてどこかあどけない。彼の性格も相まって女子からは可愛い〜なんて言われてる人気者だ。


「……お祈りメールが来てね」


大丈夫だと言っても目をきゅるるんとさせて心配そうに見てくるから思わずこの事を言ってしまった。今の時期の4年生は一度は体感するであろうこの悲しみ。


「あーそっかぁ…落ち込むよね。俺もまだ決まってなくて」

「お祈りされてばかりでそろそろメンタルがね」

「分かるー、自己肯定感めちゃくちゃ低くなるよね」


詳しくは分からないけど成績優秀らしいラウールくんがまだ決まってないのは意外だった。お疲れ様でーすと帰っていくゼミ生がいる中でラウールくんは「しんどいね」だなんて言いながら頬杖をつく。


「あ、そうだ。ES見てくれない?友達に見てもらった事なくてさ」

「私が?参考にならないと思うけど…」

「客観視って大事じゃん?」


そう言ってPCを操作して立ち上げたワードを私に見せてくる。志望動機、自己PR、ガクチカなどなど。一般的なESの質問は大体まとめてあった。


「うーん、全然いいと思うけど。この物事を客観視して本質を見極めることが出来ますって所をもっと具体的に書くと分かりやすいかも」

「あーなるほど」

「文だけよりは実例とかエピソードがあった方がいいって言うし?あと具体的な数字があると尚良いって聞いたよ」

「確かにね、文字数に囚われて中途半端にしか書いてなかったかも。」


彼はPCをカタカタと叩き始める。そしてしばらくしてどう?と見せてきた文はとっても分かりやすくて彼の自己PR力が伝わってきた。


「うん、すごく良いと思う」

「ありがとう!」

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作品ジャンル:恋愛
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ぽぷら(プロフ) - なおさん» コメントありがとうございます!かなりお返しが遅れてしまってすみません💦楽しんでいただけたようで嬉しいです(^^)こちらこそありがとうございました! (7月14日 1時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - ラウ担です。ラウちゃんがほんとにラウちゃんらしくて、ずっとラウちゃんの声が脳内再生されていて幸せでした!素敵なお話をありがとうございます! (2023年5月6日 22時) (レス) id: 61924ce533 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぽぷら | 作成日時:2021年11月30日 23時

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