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「ほい」
「あ、どうも」
「顔赤いけどテンション変わんないって、確かに強いのな」
「顔赤くなる自覚もないんですけど」
「じゃあ酔う手前じゃん？」
もう一つコップを取って水を注いだ彼。それを私に手渡すと自分の水をまた飲む。
「何か刺激っつーか、面白いことねぇかなって」
「それは分かります」
「でも別に危険なこととか、ヘビーなのは求めてないんだよ」
「それも分かる」
「わがままなのかねぇ」
ため息混じりで言ったショウさん。キラキラしててチャラくてうまく女性の気分を良くさせて。ホストのそんなイメージは彼で覆って親近感さえ湧いてくるよう。
『あ、ちょっとショウじゃん！Aに意地悪とかしないでよ〜？』
「してないよ。にしても今日酔ってんね？あんま顔赤くすると他のホストも寄ってくんぞ？」
『それどういう意味ー？酔ったアタシが可愛いって？』
「んはは、分かってんじゃん」
かと思ってたら。彼の存在に気づいた同僚の声に反応したショウさんはさっきまでとは打って変わって一気にイメージ通りのホストになった。思わずびっくりして彼を見つめてしまって。
「ん？」
「あ、いや」
「はは、一応仕事だからさ。こっちのモードだってできんの」
「モード……」
「てか、普段はずっとこのモードだよ。でもAはこっちの方がいいっしょ？」
そう言って２つ並んだグラスの左側を取ったショウさん。それはお水のグラス。
「俺ら似てると思わない？」
「似てるというか…まぁ、」
「俺、翔太って言うの」
「え？」
そう言って、胸ポケットから名刺を取り出した。その名刺には"SHO"と書かれている。
「源氏名つけるって時に何も思い浮かばなくて本名から取った。渡辺翔太、俺の本名」
その名刺を受け取ると下から別の紙がズレて見えた。そこには"渡辺翔太"と殴り書きしたような字とアルファベットと数字の羅列。
「明日休み？」
「あ、はい」
「俺もう上がりだからさ。Aもそろそろでしょ」
時間を見てみると確かにラストオーダーの時間。ただ横の同僚は時間を気にする素振りもなく盛り上がっている。
「落ち着いたとこで飲み直そ。面白いこと、起こるかもよ？」
私延長するから先帰っていいよー！なんて。
顔を真っ赤にしながら笑う同僚を置いて
携帯の画面に表示された
"渡辺翔太"の文字を眺めながら
私は1人でお店を後にした。
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ぽぷら(プロフ) - なおさん» コメントありがとうございます！かなりお返しが遅れてしまってすみません💦楽しんでいただけたようで嬉しいです(^^)こちらこそありがとうございました！ (7月14日 1時) (
レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - ラウ担です。ラウちゃんがほんとにラウちゃんらしくて、ずっとラウちゃんの声が脳内再生されていて幸せでした！素敵なお話をありがとうございます！ (5月6日 22時) (レス) id: 61924ce533 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2021年11月30日 23時
