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「こんばんは」
「岩本さん、こんばんは」
「隣いいっすか？」
「あ、全然。どうぞ」
今日もまた体を動かしに。あれから岩本さんは今まではこんなことしなかったのにわざわざ隣の機器を使っていいかと許可を取ってくる。
特にルームランナーやエアロバイクではたわいも無い話をするようにもなった。ゆっくりのペースじゃないと息が上がっちゃってしょうがないけど。
「あの新しい機械、試しました？」
「いや、正直キツそうで手つけようと思わなくて…笑」
「昨日やってみたんですけど、確かに結構きついっすよ。でもめっちゃいいトレーニングになります」
「岩本さんさんがキツイなら私には動かすこともできなそうだなぁ…」
周りの人と比べても明らかにいい体をしている彼。話すようになって度々見せる、あの可愛い笑顔とのギャップをますます感じている。ただ筋トレ中の表情はとても真剣でそこもまた。
「今日休日なんで私服っすか？」
「うん、そうですけど…」
「いいですね」
「ん？何がですか？」
「いや、言ったじゃないですか。スーツに見慣れてるから私服だとギャップがって」
「そんなかなぁ」
「俺は好きっすよ」
突然の発言。なんかちょっと意味深な言葉にドキッとしてしまう。ルームランナーの心拍計、上がってる……
「Aさんの私服、何か俺キュンときちゃうんですよ」
「え…」
「スーツもかっこいいなぁとは思いますけど」
軽く走りながら、全く息も上げずに私の方を見て笑う岩本さん。体力が凄いのもそうだけど、私はそれよりも今言われた事への衝撃の方が強くてびっくりする。思わず足を止めてしまって、レールの両側に足を置いた。
「えっと…ありがとうございます」
「俺休みの日にここに来る時はジャージで来ちゃうんですけど。今日はちょっとおしゃれしてきたんですよね」
「へぇ…」
ピピピ、とルームランナーのスピードを下げて歩き出した岩本さん。下げ続けてその機械が止まった時、少し照れたような控えめな笑顔でこう言った。
「この後空いてますか？ご飯行きません？」
私のルームランナーはもう動いていない。でも何だか鼓動が早まって、息を切らしてくるよう。
「……あいて、ます」
「よっしゃ、筋トレ頑張れます」
小さくガッツポーズをして、そのキツイという新しい機械へと向かっていく大きい背中を。自然と目で追ってしまった私の心拍計は上がっていくばかりだった。
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ぽぷら(プロフ) - なおさん» コメントありがとうございます！かなりお返しが遅れてしまってすみません💦楽しんでいただけたようで嬉しいです(^^)こちらこそありがとうございました！ (7月14日 1時) (
レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - ラウ担です。ラウちゃんがほんとにラウちゃんらしくて、ずっとラウちゃんの声が脳内再生されていて幸せでした！素敵なお話をありがとうございます！ (2023年5月6日 22時) (レス) id: 61924ce533 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2021年11月30日 23時
