・ ページ14
・
「はい、お待たせしました」
「ありがとうございます」
「すみません、あいつ高校生だからそう言う話が好きで。笑」
「え、高校生？」
「そう。見えないですよねー笑」
トレーを抱えて休憩行ってきまーすと裏に消えていったその人。確かに背は高いしめちゃくちゃ整った顔してるけどどこかあどけないというか、無邪気というか。
「土日だけ一応アルバイトとして働いてもらってるんですよ。この町の子ですよ、ラウールっていうんですけど」
「ラウールくん」
「僕の祖父母の知り合いの孫とかなんとかで繋がりがあって。ラウのお父さんが外国の方なんですけどね？奥さんの実家がここで、訪れた時に気に入ったからって籍を入れてから移住してきたって」
「へぇ、なんか凄いですね」
「ね、もしかしたら僕たちよりも思い切ってるかも。笑」
そんな話をしていたら「隣いいですかー」って誰かが座ってくる。横を見るとその人は噂をすれば…？
「ちょっとラウ？」
「えへへ、こんにちは！僕ラウールです！阿部ちゃんのお友達っていうから気になっちゃって」
パスタをトレーに乗せて、さっきまでしていたエプロンを外したそのラウールくんだった。阿部さんはやれやれとも言いたげに困ったように笑ってすみませんって。
「あくまでもお客さんだからね？」
「休憩中だから僕もお客さん。Aさんって言うんですよね？阿部ちゃんと仲良いんですか？」
「あー、えっと……」
「常連さんだよ、あまりちょっかいかけないの」
ニコニコと話しかけてくるラウールくん。全然いいんだけど仲良いのかっていう質問はこちらからそうですとも言えず。そしたら阿部さんがフォローしてくれて、ラウールくんは「え！僕今日初めて見たよ？」って。
「そりゃ平日によく来てくれてるから」
「じゃあここの人ですか？」
「うん、地元がここで最近戻ってきたの」
「へぇ！じゃあ僕と一緒ってことだ」
「ラウ話合うんじゃない？昔からあるお店とかさ」
お客さんの流れも少し落ち着いたらしく。阿部さんはカウンターで私たちと一緒に会話をし始めた。
「うーん、何だろうなぁ。最近色々変わってるから」
「あ、駅に向かうバス停の近くにある文房具屋さん分かる？」
「あ！分かります！おばあちゃんがやってる！」
「そうそう、私小学生の頃よく行ってたよ」
「僕もあそこでノートとか買ってました！」
「やっぱりそうなんだ〜ここの小学生御用達だね」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1000人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽぷら(プロフ) - お風呂場の狸さん» いつもコメントありがとうございます！また泣かせちゃった…（笑）お楽しみいただけたようで嬉しいです。寒くなってきてお仕事だとか、朝起きるのも億劫な季節ですよね。お互いに頑張りましょうね（ ; ; ）こちらこそありがとうございます！ (2021年12月19日 16時) (
レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
お風呂場の狸(プロフ) - めちゃめちゃ泣きながら読んでいま全てを踏まえて読み返してます……ほんとに天才です最高です……今日も6時半起きで仕事なのに一気読みしちゃいました……！今週一週間も頑張れそう(;-;)とても面白かったです！ありがとうごさいます！！！ (2021年12月13日 2時) (レス) @page17 id: 0d3b8981e3 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - aggyさん» お読みいただきありがとうございます！どうなるんですかねにやにや（笑）駆け足になりますが彼らを見届けてくださいね！コメントありがとうございます(^^) (2021年11月29日 1時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
aggy(プロフ) - コメント失礼致します！いつもお話拝見させて頂いてます。今回のお話、読んでてニヤニヤしちゃいます笑笑今後の展開楽しみにしてます！ (2021年11月27日 20時) (レス) @page50 id: 4fbf4fb7f7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぽぷら
| 作成日時：2021年11月26日 11時
