変わった故郷 ページ2
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「終わったぁー！」
全ての段ボールが空になって私はベッドに倒れ込んだ。1人での引越しって大変だなぁ、つっかれた。
時刻は夕方。何だか今日は夕焼けが綺麗だ。
カーテンの隙間から見えるオレンジ色の夕焼けを見て、私は疲れているはずなのに部屋の鍵だけを持って外に飛び出した。
「あ、意外と近いかも」
幼少期によく来たこの場所。
大人になったからかな、防波堤が少し低く感じる。
ここは海の近くの小さな町。
住んでいたところから少し歩くと海があった。
引っ越してきた先からもさほど遠くはなくて、小さい頃と同じように防波堤に座って広い海を見渡してみる。
水平線に夕陽が沈む。
あの頃と同じ、綺麗なまんま。
「変わっちゃったなー、15年以上経てばそんなもんか」
ここにくるまでの道中だって、見慣れていたはずの自然な場所が補装されて綺麗になっていたり。知らないお店が連なっていたり。
私が小学3年生まで育ったこのエリアは、海の近くのオシャレスポットとしてちょっとした観光地になっているらしい。
その頃から素敵な場所ではあったけど、若者が集うようなスポットなんてなくて。ただの海沿いの、素朴で和やかな町だった。
この海の景色以外、ほとんど変わってしまった。
しばらくぼーっと海を眺めていた。一度ぴゅうっと冷たい海風が吹いて、そろそろ帰ろうと防波堤を降りる。
少し町を探索してみようと反対側から帰ってみることに。のんびりと懐かしさと新鮮さ、そして変わってしまったことへの少しの寂しさを感じながら歩いていた。
確かにあの頃よりも人通りは多い気がする。土曜日っていうのもあるのかな。何だか洒落た街灯なんかも建っていて、確かに若い子が行きたくなりそうな感じもするなぁと妙に納得する。
薄暗い中でその街灯の光が照らす場所に、エプロンをつけた男の人が扉を開けて出てきた。
その人は扉についてあるプレートをひっくり返し、そしてまた中に入っていく。
"Cafe Snow"
道に置かれてある立て看板にはそう書かれていて、さっき男の人がひっくり返したであろうそれには【close】の文字。おしゃれな外観のそこはもちろん私の記憶にはない。
新しくカフェができたんだ。
明日にでも行ってみようかな。
寂しいなぁなんて思ってはいるものの、一応私もまだ若い？女子な訳で。少しだけ興味が湧いた私はそのカフェの営業時間を確認してから引越したてのアパートに戻った。
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ぽぷら(プロフ) - お風呂場の狸さん» いつもコメントありがとうございます！また泣かせちゃった…（笑）お楽しみいただけたようで嬉しいです。寒くなってきてお仕事だとか、朝起きるのも億劫な季節ですよね。お互いに頑張りましょうね（ ; ; ）こちらこそありがとうございます！ (2021年12月19日 16時) (
レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
お風呂場の狸(プロフ) - めちゃめちゃ泣きながら読んでいま全てを踏まえて読み返してます……ほんとに天才です最高です……今日も6時半起きで仕事なのに一気読みしちゃいました……！今週一週間も頑張れそう(;-;)とても面白かったです！ありがとうごさいます！！！ (2021年12月13日 2時) (レス) @page17 id: 0d3b8981e3 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - aggyさん» お読みいただきありがとうございます！どうなるんですかねにやにや（笑）駆け足になりますが彼らを見届けてくださいね！コメントありがとうございます(^^) (2021年11月29日 1時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
aggy(プロフ) - コメント失礼致します！いつもお話拝見させて頂いてます。今回のお話、読んでてニヤニヤしちゃいます笑笑今後の展開楽しみにしてます！ (2021年11月27日 20時) (レス) @page50 id: 4fbf4fb7f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2021年11月26日 11時
