君の日記と冬の海

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今日は素敵なカフェを見つけた。
カフェラテもフレンチトーストも
とっても美味しかった。
あの文房具屋のおばさんにも会えて嬉しい日だった。
明日も懐かしい所を巡ってみようかな。



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あの頃と違って漢字が増えてそれなりに綺麗になった字。

文字を書けるようになった頃からの日課で、私は毎日ちょっとした日記をつけていた。小学校に上がってすぐくらいの頃かな。それから引っ越してこの町を去る小学校3年生の冬まで欠かさずに続けていた。


それからも続けるつもりだったけど。引っ越し作業の中で使っていたノートがどこかに行ってしまって、引っ越し先で新しいノートを買っても何だか続かなかったのだ。

そして日記のルーティーンはいつしか自分も忘れていた。けどお店にあった似たようなノートを見て思い出したんだ。ここに戻ってきたならまた続けられるかもしれないと。

たった数行なのに、何だか書いてる時間が楽しかった。海があって、優しい町の中で過ごす毎日だったから続けられてたのかもしれないな。人工的な光に囲まれた都会での生活は自分の中では何かが違ったのだろう。



佐久間大介生きてる?



ノートをパタンと閉じてベッドに寝転んだ時。携帯が震えて通知が入る。


潮田Aお疲れ様。勝手に死なせないでよ

佐久間大介いつからあっち出勤?

潮田A明後日



佐久間からだった。
私は入社の時からここから通える支社での勤務を希望していたんだけれど、命じられた勤務先は前に住んでいた所にある本社。そこでつい一週間前まで一緒に働いていた私の同期だ。

デスクが隣だったり部署内での同期が佐久間しかいなかったのもあってそれなりに仲良くしていた。私が念願叶って支社に異動が決まった時は「え、俺同期お前しかいないのに！」とぶーぶー言われたっけ。確かにそうだけど隣の部署に行けばいるでしょうよ、ふっかとか照くんとかさ。


佐久間大介マジで隣がお前じゃないの変な感じするから早く戻ってきて

潮田A戻る予定ないし。そう言って仕事押し付けたいだけでしょ

佐久間大介同期が寂しがってんのに

潮田A目黒くんの教育係佐久間が引き継いだんでしょ?頼みますよー

佐久間大介あいつ生意気なんだけど



そうかなぁ、素直でいい子だけど。

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