甘党 ページ50
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「っあ〜飲んだわぁ」
外に出て伸びをしながら天を仰ぐ佐久間。思ったよりちゃんとした足取りにホッとする。本当に少しお酒に強くなったのかもしれない。
「2軒目いく？」
「ばか、反省したんじゃないの」
「俺んち泊まればー？」
「ねぇ！」
「ふっ、冗談だよ。行こう」
反省したんだかしてないんだか。やっぱり確実に酔いは回っているらしい。歩き出した佐久間の横に並んだときに冷たい風が正面から吹いてきて、最近で一番の寒さを感じた。
「さっむ！こんなんすぐ酔い覚めるわ」
「んなこと言って、顔赤いよ」
「あんさ、まだちょっと時間平気だったりする？」
「だから2軒目は行かないって」
「違うよ、あったかいもん飲みたい。駅の中にあるでしょ？カフェ」
まぁそこなら…軽くコーヒー飲むくらいならまだ時間は大丈夫そうだ。あったかいもんって佐久間何飲むんだろうとは思うけど。
「奢るわ」
「え、いいの？」
「うん、電車代」
「ならもうちょっと欲しいけどね」
「さっき多く出したろ？」
「気持ちじゃん」
「気持ちって言ったし」
某コーヒーショップでホットコーヒーを注文すると横から佐久間が入ってきて、あったかいのって言ったのになんとかフラペチーノを注文して財布を取り出す。
クリームが盛られたそれを受け取った佐久間は「つめてっ」って笑った。
「寒いのに」
「甘党だから」
「変なの」
ガラスに面した席に横並びで座った私たち。土曜日なのもありそこから見える外にはスーツ姿のサラリーマンよりは私服の人が多い。カップルもちらほらと。
「そういや照デートって言ってたな」
「へぇ、どんな子なの？」
「甘いものが好きって」
「ふぅん、じゃあ気が合うんじゃない？」
「ちょっと飲む？」
フラペチーノを差し出した佐久間。受け取って少し吸い上げると甘くて冷たいシャリシャリとした食間。
「甘い」
「Aって甘いもんダメなんだっけ？」
「いや？別に好きだよ」
お返しってコーヒーを差し出してみるとそーっとカップを傾ける佐久間。そしてその瞬間に顔を顰める。
「にが」
「味覚赤ちゃんだよね」
「俺らは気合わない？」
「何だそれ」
「コーヒー飲めない男ってダサい？」
「ダサいとは思わないけど」
返されたコーヒーまた口に。苦くて少しだけぬるくなった味。亮平くんが淹れる方が好きだななんて。
「甘いのと苦いのって相性はいいよね」
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ぽぷら(プロフ) - お風呂場の狸さん» いつもコメントありがとうございます！また泣かせちゃった…（笑）お楽しみいただけたようで嬉しいです。寒くなってきてお仕事だとか、朝起きるのも億劫な季節ですよね。お互いに頑張りましょうね（ ; ; ）こちらこそありがとうございます！ (2021年12月19日 16時) (
レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
お風呂場の狸(プロフ) - めちゃめちゃ泣きながら読んでいま全てを踏まえて読み返してます……ほんとに天才です最高です……今日も6時半起きで仕事なのに一気読みしちゃいました……！今週一週間も頑張れそう(;-;)とても面白かったです！ありがとうごさいます！！！ (2021年12月13日 2時) (レス) @page17 id: 0d3b8981e3 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - aggyさん» お読みいただきありがとうございます！どうなるんですかねにやにや（笑）駆け足になりますが彼らを見届けてくださいね！コメントありがとうございます(^^) (2021年11月29日 1時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
aggy(プロフ) - コメント失礼致します！いつもお話拝見させて頂いてます。今回のお話、読んでてニヤニヤしちゃいます笑笑今後の展開楽しみにしてます！ (2021年11月27日 20時) (レス) @page50 id: 4fbf4fb7f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2021年11月26日 11時
