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結局そのあとは何もなく。
夕方になりあのカフェに向かう事に。
ようやくガヤガヤから解放されてほっとする。やっぱり休日に中心街行くもんじゃない、この事務所の休日制度が土日固定じゃなくてよかったかもしれない。
「こんにちはー」
「いらっしゃい!2人で来たの?」
「ちょっと飯食いに行ってて」
「あらそう、座って座って」
奥さんが出迎えてくれる。特にお店の2人には今回の事は言っていなかった。変に心配させるのもあれだし、何事もなければそのままでいいから。
事務所の皆さんは外で様子を見てるらしい。
「コーヒーでいいかしら?」
「はい、お願いします」
「あ、母さん俺が淹れる」
蓮くんがカウンター側に向かった。よーし、と呟いて道具を手に取る。作ってくれるらしい。
「よっしゃ、練習の成果を見せる時」
「あ!ラテアート?」
「まぁあまりここ来れてないからあれなんだけど、前よりはね」
「楽しみ」
ここに来ちゃえばもうお仕事の事は忘れていつも通り過ごせる。実際は今もお仕事ではあるんだけどさすがにストーカーさんも中に入ってくることはないだろう。
慣れた手つきでカップにミルクを注いでいく蓮くん。このカフェはあまり若い人が来るわけではないけど、蓮くんがお店継いだら蓮くんファンで女の子達がたくさん来るんじゃないかなんて思う。
私はこの隠れ家感が好きなのだけど。
「はい、どうぞ」
「わぁー!すごい!綺麗!」
「一番うまくいった」
そんなことを考えてるうちに目の前に置かれたカップにはリーフのラテアート。この前のハートよりも細かくて難しいんだろうというのは私でも分かる。
「写真撮ってもいい?」
「ふふ、どうぞ。笑」
凄いなぁ、映えよ映え。
別にどこに投稿をするわけではないのだけど、しっかりとそのラテアートを写真に収めた。
飲むのが勿体ないなと思いつつ、一口含むと優しくてコクのあるカフェラテ。やっぱりマスターにも蓮くんにもまだまだ敵わないなと思った。
「美味しい…やっぱ凄いなぁ」
「俺はAちゃんのが好きだけどね」
「ずっと言ってくれてるけど息子さんに敵うわけないんだって」
「またいつか一緒にここに立ちたいな、なんて」
蓮くんが言ったその一言の意味は分からなかった。私はもう辞めたのに。お手伝いしてってことかなと思って特に気にせずカフェラテをまた一口飲んだ。
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お風呂場の狸(プロフ) - はじめまして、こんばんは。一気読みしました。100億万回☆5押したいですし、もう、なんというか、本当に最高のお話でした。ここ数日の私の生き甲斐でした。本当にありがとうございました!面白かったです。 (2021年11月16日 19時) (レス) @page49 id: 0d3b8981e3 (このIDを非表示/違反報告)
こっしー(プロフ) - こんばんは!S1をお迎えに行ったのですが、このお話の続きって?!ってなるくらい似ててビビりました笑笑 主様もしやエスパーですかっ⁈ (2021年9月29日 0時) (レス) id: 3f75853613 (このIDを非表示/違反報告)
プリン。(プロフ) - 完結おめでとうございます!!!ほんっとにめちゃくちゃ面白かったです!!!語彙がなくて表せませんが!これからも主様の活動応援します!! (2021年9月7日 14時) (レス) id: cf40087a4e (このIDを非表示/違反報告)
すん - 長文になってしまうので、こちらに書き込むのも憚られました。ぜひ感想を送らせていただきたいので、お手を煩わせてしまい申し訳ありませんが、ご検討よろしくお願いいたしますm(__)m (2021年9月6日 22時) (レス) id: 23ad842a68 (このIDを非表示/違反報告)
すん - ぽぷら様、いつも作品読ませていただいおります!本日も更新ありがとうございます^^ 突然で申し訳ないのですが、マシュマロの設定を一度誰でも設定にしていただく事は可能でしょうか…以前からフォローさせて頂いているのですが、何かの不具合か何度試しても送れず… (2021年9月6日 22時) (レス) id: 23ad842a68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽぷら | 作成日時:2021年8月27日 0時