優しくなんかない ページ33
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「俺の勝手な予想だけどね。Aちゃんさ、自分に向けられる好意の気持ちって今まで読んだことないでしょ？」
しばらくして阿部さんが話し出したのはそんなこと。好意と言われてあまりピンとこなかった私は好意ってなんだろう、何が好意なんだろうと考えを巡らせる。
「好意の気持ち……？」
「好きだ、とか。付き合いたいとか」
その答えを聞いた時、それでもなおよく分からなかった。
「俺もどこからの好意が聞き取れないのかは分からないけど…そういう恋愛感情からなのか友達関係からなのかはね？でも多分ね、そうだと思うの」
「どういうこと…？」
「ごめん、ずっと黙ってた。俺目黒さんの声聞こえてた」
蓮くんの声…？心の声って事？
素で驚いてしまって、そんな私に阿部さんは悲しい顔をした。
確かにあの時阿部さんは聞こえないと言った、全く聞こえないって。
「それが…嘘ですか？」
「うん」
「でもなんで…」
「……目黒さんね、多分Aちゃんのこと好きだよ。それも恋愛的な感情で」
「れん、あい…？」
思ってもいなかった話の展開に混乱する。まさか蓮くんの名前が出てくるとも思わなかったし、その蓮くんが私を恋愛的な意味で…？
「あの調査のためもあった。今これをAちゃんに言ったらやりづらいだろうし目黒さんの気持ちを勝手にバラすのも良くないと思ったから。
だからね、きっとAちゃんをストーカーしてた人と目黒さんの事件のストーカーは同じなんじゃないかって犯人見つける前から思ってた。だからAちゃんを囮にする作戦は効果的だって思ったし、ただその作戦はAちゃんを危険に晒す事だって言うのも分かってて……」
阿部さんは俯きながら言う。
そんな嘘、嘘に入らないじゃないか。私と蓮くんの事を思っての判断じゃないか。
なぜ阿部さんは今こんなに苦しそうなの…？
「……じゃあそれは正しい判断じゃないですか」
「うん。でも…それを言いたくなかったのは俺のわがままでもあったんだ。むしろそっちの方が大きくて」
阿部さんは私の目を見つめた。
私たちの合図だった、でももうその合図の意味はない。
聞こえないから。
「俺、Aちゃんのことが好き」
でも彼はしっかりと、口を開いてそう言ったのだ。
あの時、私をあの女の人から助けてくれた時もそう言っていた。
さっき思い出したのだ。
「あれは…そう言う意味だったんですか…？」
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お風呂場の狸(プロフ) - はじめまして、こんばんは。一気読みしました。100億万回☆5押したいですし、もう、なんというか、本当に最高のお話でした。ここ数日の私の生き甲斐でした。本当にありがとうございました！面白かったです。 (2021年11月16日 19時) (
レス) @page49 id: 0d3b8981e3 (このIDを非表示/違反報告)
こっしー(プロフ) - こんばんは！S1をお迎えに行ったのですが、このお話の続きって？！ってなるくらい似ててビビりました笑笑 主様もしやエスパーですかっ⁈ (2021年9月29日 0時) (レス) id: 3f75853613 (このIDを非表示/違反報告)
プリン。(プロフ) - 完結おめでとうございます！！！ほんっとにめちゃくちゃ面白かったです！！！語彙がなくて表せませんが！これからも主様の活動応援します！！ (2021年9月7日 14時) (レス) id: cf40087a4e (このIDを非表示/違反報告)
すん - 長文になってしまうので、こちらに書き込むのも憚られました。ぜひ感想を送らせていただきたいので、お手を煩わせてしまい申し訳ありませんが、ご検討よろしくお願いいたしますm(__)m (2021年9月6日 22時) (レス) id: 23ad842a68 (このIDを非表示/違反報告)
すん - ぽぷら様、いつも作品読ませていただいおります！本日も更新ありがとうございます^^ 突然で申し訳ないのですが、マシュマロの設定を一度誰でも設定にしていただく事は可能でしょうか…以前からフォローさせて頂いているのですが、何かの不具合か何度試しても送れず… (2021年9月6日 22時) (レス) id: 23ad842a68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2021年8月27日 0時
