ようこそ、ご相談ですか？4

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『あのさ、休みなら今から会えないかな。直接お礼言いたいし』


蓮くんがそんなことを言う。でも生憎今は阿部さんと一緒にいるし、そもそも体調も万全ということではない。何も知らない蓮くんの前で何かがあったら怖いから。


「あ、ごめんね。今日ちょっと予定あって…また今度行こう」

『そっか、うん。急だしね、気にしないで』

「蓮くん何もない？もう何か届いたりしてない？」

『大丈夫。外出ても何もないし平気だよ』


よかった。自分に写真が送られてきた時に改めて思ったけど、知らない間に自分の写真が撮られてるなんてめちゃくちゃ怖い。私にはカッターまで入っていたから…何もなくて本当に良かったと思う。


『Aちゃん楽しそうだね』

「え？」

『職場の人？みんないい人そうだし、俺に届いた写真に写ってたのも職場の人だよね』

「あー…うん、そうみたい」

『隠し撮りにこんなこと言うのあれだけどさ…何かいい写真だなって思って。すごく自然に笑ってて楽しそうだった』


そういえば、事務所の皆さん全員が撮られてたらしいけどたまたまなのか蓮くんに届いていたのは阿部さんとの写真のみだったらしい。本当にプライベートの。

宮舘さんにも言われたな。笑ってるって。


「……うん、すごくいい人たちに囲まれたと思ってる。ここに入れて良かったと思うよ、蓮くんのことも助けられたし。素敵な人たちだよ」

『そっか、良かったね』

「うん」

『……じゃあ、ごめんね急に』

「ううん」

『ありがと、またね』



電話を切ると同時に思い出すあの写真、自分で言うのもあれだけど確かに楽しそうだった。

今更だけど、阿部さんとだからなのかな。さっき阿部さんは私といると楽しいと言ってくれた。人と一緒にいることが苦手だったのに、でもあの時確かに楽しかったって純粋に思えていた。


「あ、おかえり。何だって？」

「ありがとうって。もう何事もないし平気って言ってました」

「そっか、よかったね」


優しく笑う阿部さんのこの笑顔にたくさん救われた。私に居場所をくれた人。そして私といる事を楽しいと言ってくれる人。


「もう大丈夫そうだね。ちゃんと食べれるじゃん」


チーズケーキを食べきった私に偉い！と声をかける阿部さん。お会計をしてくれて、お店を出る時にまた繋がれた手で急にあの時の記憶が蘇ってきた。





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