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「……これはみんなにも共有した方がいいと思うから言うけどさ」
ずっと黙っていた阿部さんが口を開き、皆さんの目線が移る。
「これは俺の予想にしか過ぎないんだけど、多分Aちゃんは"負の言葉"を受け取る力が強いんじゃないかな」
「負の言葉？」
「例えば今ここにいる俺以外の6人が何かしら心内で考えていて、俺から同じ距離離れていたとするよ。その場合俺はみんなの声が同じ音量で聞こえる。6人分が重なるからガヤガヤして一人一人の声は聞きづらい状態になるかもね。それで今みたいに佐久間が近くにいて翔太が遠くにいると佐久間よりも翔太の声が小さく聞こえるんだ、単純に距離があるから。
でもAちゃんの場合翔太が何かしら悲しいことを考えてて佐久間が何でもないことを考えてたとしたら翔太の声が佐久間と同じくらい、もしくは佐久間より大きく聞こえてしまう。距離が同じだった場合はガヤガヤしてる中で翔太の声がはっきりと聞こえる」
「つまり悲しい声が大きく聞こえてしまうって事？」
「そういうこと。俺と同じ場所にいるのにAちゃんは俺が聞こえてない声に反応してた気がしてたんだ。しかもその場所が子供が転んだり迷子になってたり、喧嘩したカップルが気まずそうにしてたりとか何かしらマイナスな事を考えているんだろうなって人がいた。Aちゃんも自覚はないと思うけど」
阿部さんがこちらを見る。その通り自覚なんて全くなかった。それが普通だと思ってたし阿部さんも聞こえてると思ってたのだ。
阿部さんと私の聞こえてるものは違う。それが何だか寂しかった。
「初めはただ感受性が強い子なんだなって思ってたんだけど、てかそれは間違いないんだけど…だから初めてのお仕事のときに学生たちの声聞いて倒れそうになってたり今回こうやって意識を失うまでになったのかなって。強く受け取る分影響を受けやすい。そりゃあ自分に対する罵倒の声が聞こえたらね。それに……」
阿部さんはここまで言うと口を噤んだ。何？と佐久間さんが聞いてもしばらく黙っていて。
「……いや、俺もこの力に関してはまだまだ分からないことが多いからさ。俺とAちゃんそれぞれにまだ気づいていない特性みたいなものがあるのかなと思っただけ。俺がオンオフ切り替えられるのもその特性だったりしてね」
阿部さんはどこか寂しいような切ないような顔をしていた。握っている私の手に目線を落として、やっかいだよねって静かに呟いた。
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お風呂場の狸(プロフ) - はじめまして、こんばんは。一気読みしました。100億万回☆5押したいですし、もう、なんというか、本当に最高のお話でした。ここ数日の私の生き甲斐でした。本当にありがとうございました！面白かったです。 (2021年11月16日 19時) (
レス) @page49 id: 0d3b8981e3 (このIDを非表示/違反報告)
こっしー(プロフ) - こんばんは！S1をお迎えに行ったのですが、このお話の続きって？！ってなるくらい似ててビビりました笑笑 主様もしやエスパーですかっ⁈ (2021年9月29日 0時) (レス) id: 3f75853613 (このIDを非表示/違反報告)
プリン。(プロフ) - 完結おめでとうございます！！！ほんっとにめちゃくちゃ面白かったです！！！語彙がなくて表せませんが！これからも主様の活動応援します！！ (2021年9月7日 14時) (レス) id: cf40087a4e (このIDを非表示/違反報告)
すん - 長文になってしまうので、こちらに書き込むのも憚られました。ぜひ感想を送らせていただきたいので、お手を煩わせてしまい申し訳ありませんが、ご検討よろしくお願いいたしますm(__)m (2021年9月6日 22時) (レス) id: 23ad842a68 (このIDを非表示/違反報告)
すん - ぽぷら様、いつも作品読ませていただいおります！本日も更新ありがとうございます^^ 突然で申し訳ないのですが、マシュマロの設定を一度誰でも設定にしていただく事は可能でしょうか…以前からフォローさせて頂いているのですが、何かの不具合か何度試しても送れず… (2021年9月6日 22時) (レス) id: 23ad842a68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2021年8月27日 0時
