ようこそ、ご相談ですか？3

・ ページ44

・


「依頼人は目黒蓮さん23歳、ごく普通のサラリーマン。まぁサラリーマンなのがもったいないくらいに高身長でイケメンだったな。んでAちゃんの友達と」

「…まぁ確かに高身長イケメンですね」


深澤さんを中心に内容の共有。私に向けられたその言葉に確かに彼はスタイルがいいなと立ち姿を思い返す。


「仲いいの？」

「知り合ってから4年くらいになります。皆さんには話しましたけど働いてたカフェの息子さんなんです。毎日会ってたわけではないですけどそれなりに仲良くはさせてもらってました」

「ちなみにだけどなんか悩んでたとかそういう話聞いてた？」

「いえ、そもそも最後に会ったのも結構前ですし。私がここで働いてるのも知らなかったはずです」

「おっけ」



深澤さんが話を進めていく中で少しだけ目を伏せてから意を決したように私を見た。


「簡潔に言うとストーカー被害を受けてるみたい」

「えっ」

「1ヶ月くらい前から家のポストに外で撮られたであろう自分の写真が入ってたり、フリーアドレスから変なメールが送られてきたり。こういうの」


蓮くんから預かったらしいその写真。外で歩いている様子や、会社であろう場所に入っていく所。あらゆるところで隠し撮りをされていた。

さらに事務所のアドレスに転送してもらったらしいメールには“いつも見てる”だの“大好き”だのそんな一言が書かれていた。


「本人は全く相手の検討がつかないらしい。家もメアドも会社もバレてるってことになるから早急に手を打った方がいい。ただ情報が無いからつけてる所を見つけるしかないんだけど…いつどこで現れるか分かんないからどうすればいいか、ってとこだな」

「本人はつけられてるような感じとかないの？」

「ないって、こんなことされる理由も分からないって言ってた」

「うーん、心当たりがないなら情報ゼロだよなぁ」


皆さんが討論をしてる中、その写真を1枚1枚見ていたら見覚えのある場所が。



「あっ…」

「どした？」

「ここ…カフェです。私が働いてた…」


蓮くんがドアを開けて常連さんを見送ってる写真だった。エプロンを付けてるからお店の手伝いをしていたんだろう。


「カフェと目黒さんの家って別？」

「はい。カフェの隣にご実家があって、それとは別で蓮くんは一人暮らしをしてるはずです。」

「じゃあ実家もバレてるかもな…ご両親に被害が及ばなきゃいいけど」



そんな、怖すぎる。私にとっても大切な場所。
誰がこんなことを……

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す