ようこそ、ご相談ですか？3

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調査当日。
カジュアルな服が多い私はあんな場所に行くのにどんな格好をすれば？と前日から悩みに悩んだ結果、クローゼットの奥に眠っていた着た記憶がないひざ丈スカートとシンプルな白のブラウスを着た。

普段から綺麗めな格好をする人ならなんてことないんだろうけど、私にとってはそわそわする。あまりスカートも履かないし、履いても休みの日にカジュアルなロングスカートくらい。


「おはよーございます…」


そんな見慣れない自分の姿が恥ずかしくてそーっと事務所の扉を開けると、そこにいたのは大人っぽいセットアップを着た佐久間さんとスーツ姿の阿部さんだった。阿部さんはジャケットを脱いでおり、ベスト姿で何やら資料に目を通していたよう。


「あ、Aちゃんおはよー！どうしたの、こっちおいで？」


事務所の重い扉にほぼ隠れた状態の私に手招きをする。阿部さんもどしたーってニコニコしてる。


「あら可愛い。いつも可愛いけどこーゆーのも似合うねぇ」

「佐久間がAちゃん口説いてる。笑」


そーっと中に入ると何らいつもと変わらないテンションで話しかけてくれる2人。恥ずかしがってるのを察したのかよしよし似合ってるよ〜と頭を撫でられる。


「だって今日は俺の彼女だもん」

「あはは。だって、Aちゃん。笑」

「あの、そういうの慣れてないんで…」


冗談だと分かっているのに照れてしまう私はもちろん彼氏いない歴イコール年齢の人だ。

皆さんはこういう調査もやり慣れてるんだろうか。でも私が来るまではずっと6人だったって言ってたし、こうやって恋人の振りをするのはなかったのだろうか。


「…今までもあったんですか？こういうの」

「あったあった。麻薬取引の現場は初めてだけどカップルのふりした方が好都合な状況はよくあったよ」

「え、それってどうやって」

「佐久間に女装させるとか」

「えぇ？」

「にゃは、俺結構可愛いのよー？」

「あとはオネェのフリする。意外と照とかがやるとリアリティ出るんだよ」

「……ちなみに相手役は？」

「そん時は舘様だったか」

「ちょっと見たい」


探偵ってなんでもするんだなぁと思わず感心してしまった。皆さん身体張ってるんだと思ったら私も頑張らなければと思う。私はオネェでも女装でもないんだし…当たり前か。


「ヤダァちょっと、前のスーツの人イケメンじゃなぁい？あたしタイプだわぁ」

「…阿部さん」

「佐久間はオネェの演技もピカイチだよ、何でかは知らんけど」

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