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「ちなみに今までの子は大介ーかさっくーんの2択だったなー」
「へ？」
「今はいないけどねぇ。あ、今はAちゃんか」
裏路地を歩きながらにこっと私に笑いかけた佐久間さんはやけに楽しそうだった。
「まーこういう所だから佐久間さんでも違和感はないんだろうけど俺がそっちのがいいなーって」
「えっと」
「恋人だもん」
「……さっくん？」
「あは、そっちかー。まぁいっか！可愛いから！」
にゃははって笑って私の手を握った佐久間さん。さすがに演技でも大介と呼ぶのは気が引けたのだが、どうやらそちらがご所望だったようだ。
少し歩いて辿り着いた場所。本当に路地の奥にある小さな看板は何だかオシャレで敷居が高く感じてしまう。その看板から横を見ると暗闇に続く階段が。一階もお店なんだろうけど今は閉まっている。
この上、二階にバーはあるらしい。
その階段を上って着いたのはうちの事務所のようなレトロな扉で。でもそれを見ていつもは安心するのが今回は緊張しかしない。
「行くよ、怖くないからね」
佐久間さんはいつもみたいに頭を撫でたりぎゅーっと抱きしめるわけでもなく私の腰をグッと抱き寄せる。降ってきた優しい声とは裏腹に、見上げた時に視界に入った佐久間さんの表情は見たことないくらいに妖艶で大人だった。
「……佐久間さんの方が怖いかも」
「さっくん、ね？」
思わず呟いた私の一言にフっと笑った佐久間さんはその重い扉を開けた。広がるのは写真で見た通りの綺麗で大人な雰囲気のバー。でも実際に見るとさらに敷居が高いような高級感を感じて思わず怖気づく。
(大丈夫、堂々としてな)
さすが阿部さんで慣れているのか、心の中で語りかけてくる。その声はいつも通り優しいのだけど、今ゼロ距離にいる隣のその人は事務所にいる時とは比べ物にならないほど大人な雰囲気だ。
バグる。
「いらっしゃいませ。お客様初めてでいらっしゃいますね」
「はい、なので貴方のオススメを。お酒があまり得意じゃないみたいなのでこの子には軽めのをお願いしてもいいですか？」
「かしこまりました」
佐久間さんはカウンターに座るなりいつもよりちょっと低い綺麗な声で注文をする。あまりにも普段とのギャップが凄すぎて、私は返って冷静になってしまっていた。
きっとこの人は演技が上手い。
もはやオネェでお仕事してるのを見てみたいまである。
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ぽぷら(プロフ) - ななさん» コメントありがとうございます！うふふ、色々考えてみて下さい。笑 ぜひお楽しみいただければ！ (2021年8月25日 17時) (
レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - きさん» はじめまして！コメントありがとうございます！えぇ！一気に！とても嬉しいです…！引き続き更新していきますのでぜひ楽しんでいただけると嬉しいです(^^)ありゃ！だめでしたか！笑 いつか読めるようになるまで練習ですね（？） (2021年8月25日 17時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - ﾄﾞｷﾄﾞｷ。二人で喫茶店に行ったﾀｲﾐﾝｸﾞでの訪問なんて、、読めない理由も含めていろいろ考えちゃいます(笑) (2021年8月25日 4時) (レス) id: 978894b8a4 (このIDを非表示/違反報告)
き(プロフ) - ぽぷらさん初めまして！ふらっとタイトルだけみて立ち寄ったのですが、最新話まで一気に読んでしまいました、、！これからの展開すごくワクワクしてます！私も人の心読めないかなって思ってお母さん見たけどだめでした(?)マロ送れなかったのでここで失礼します！ (2021年8月24日 21時) (レス) id: 173fd97868 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - やこぴよ、さん» コメントありがとうございます！幸せホルモン！私のお話で満たしてくださったのなら本当に嬉しいですー！きっと2人でニコニコしながらティッシュ詰めたことでしょう(笑)お気遣いもありがとうございます！ (2021年8月23日 20時) (レス) id: 786016fd9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2021年8月14日 1時
