星のバレッタ

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雑貨屋さんを後にして、目黒くんが連れてきてくれたのは落ち着く雰囲気の居酒屋さん。

この前の合コンで行ったガヤガヤした騒がしい所じゃなくて、程よくオシャレで程よく入りやすい、いい塩梅の雰囲気のお店。


「いうてもまだ大学生だし凄く綺麗な所はハードル高いけどさ、このくらいなら落ち着くでしょ？でも安っぽすぎないっていうか。でも割とリーズナブルなんだよ」

「うん、落ち着く。よくこんな所知ってるね」

「でもまだ2回目なんだけどね。先輩に連れてきてもらっただけ。笑」

「そんな、正直に言わなくていいのに。笑」

「無理にかっこつけたくないし、Aちゃんにはありのままの俺を知って欲しいからさ」



おぉ、もう言うことがイケメン。合コンでここ常連なんだよ、とか言って無理に店員さんに馴れ馴れしくするような人とは大違い。

この少しの期間で私が知ったのは、本当に素直で、真っ直ぐで、優しい人だってこと。

ありのままらしい彼は2人きりってちょっと緊張するわって言いながらおしぼりで手を拭いている。



「あ、ねぇ。さっき買ったのつけてみてよ」


目黒くんがプレゼントしてくれたのはお花がモチーフの揺れるピアス。中々お花は買わないから、つける前に自分の手元にあるだけでもう新鮮だ。

着けていた小さな星のピアスを取ってそのお花をつける。揺れるピアスをつけるのも久々だ。


「どう？」

「……すげぇ似合う、可愛い」


相変わらずド直球に褒めてくれる目黒くんの言葉に恥ずかしくなって思わず俯く。


「あ、ありがと…」

「ふふ、めっちゃ照れてんね」

「いや、そ、そりゃ……照れます、よ」

「照れても可愛いから大歓迎」


ちょっといたずらっ子のような笑みをこぼした彼はどこまでも直球で正直だ。多分こういう人を罪な男というのだろう。



「頼もっか。Aちゃんってお酒飲める人？」

「あー、飲めなくはないと思うけど全然慣れてないよ。合コン付き合わされても1、2杯でもういいやってなっちゃうんだよね。」

「そっか、全然無理しなくていいけどどうする？」

「少し飲もうかな、せっかく素敵な所連れてきてもらったし」

「安心して、あの時みたいな酔っ払って絡む男はいないから。笑」


あれはしつこかったなぁ。その時とは違う落ち着いた雰囲気に、やっとお酒を楽しめちゃったりするのかなぁなんて思う。



「酔ったAちゃん見たい気もするけどね」

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