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「あの、バイト辞めます。ただ既に入ってるシフトを抜けるのは申し訳ないのでここに来るのはそれからでも大丈夫ですか?お休みの日は来るので」

「うん、全然いいよ」



雇ってもらった以上中途半端にするわけにはいかない。なので辞めますと反射的に言ってしまったのだけどあの温かい空間を思い出して急に寂しくなってしまう。



「何のバイトしてるのー?」

「カフェです、個人営業の小さいところで」

「へぇ!何となくだけどAちゃん似合うね」



そう、佐久間さんが言ってくれたのに少し嬉しくなるくらいには私にとって大切な場所だったから。


ずっと働いてきた小さなカフェ。雰囲気がすごく好きでしばらくお客さんとして通っていくうちに、仲良くなった私に働かない?とマスターが声をかけてくれたのがきっかけだった。

アルバイトは私しかいなくて、ちょうど私の親世代くらいのとっても優しいマスターとその奥さんとの3人で過ごす時間は普段人の心の声に疲れ切っている私にとっては癒される時間だった。

本当に隠れ家的なカフェらしく、お客さんもたくさんくるわけではない。常連さんがふらっときて、マスターとのんびりお話をしながらコーヒーを楽しむ。

それが私に取ってはありがたい環境だった。常連さんもいい人たちばかりで心でも嫌なことを言う人はいない。

同じ場所に人がいるという環境で、唯一あそこは自分が楽にいられる場所だった。



「寂しい?」

「え、あ…そっか」

「違う違う、読んでないよ。寂しそうな顔してたからさ。笑」


阿部さんに言われて読まれたと思ったけどどうやら読んでないらしい。そんなに顔に出ていたのだろうか。


…というか、読んでないって?
どういうこと?


「まぁ、辞めなくていいとは言えないんだけど…ちゃんと最後まで働いてきなよ。次いつこれそ?」

「明明後日なら…」


浮かんだ疑問を解消する暇もなく話は進んでいく。
阿部さんは私がサインした書類をトントンと整えた。


「おっけい、判子持ってきてね。あとはー、まぁなんかあったら連絡する」


就職って入社式なんてものが行われてスーツ着て並んで座って偉い人が式辞読んで…みたいなのを想像してた。

そもそも選考を受けてない。
でも私は内定どころかもう入社してしまった。



「Aちゃんのデスク置かなきゃねぇ」

「物置に余りがあるよ」


そう言ってどこかに向かって行った宮舘さんの背中を眺めながら何が起こるか分からないなと黄昏てしまった。

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設定タグ:SnowMan , 阿部亮平   
作品ジャンル:恋愛
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ぽぷら(プロフ) - onceさん» お読みいただき、そして温かい応援のメッセージありがとうございます(^^)頑張ります! (2021年8月2日 15時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
once - すごく面白いです!これからも頑張ってください! (2021年7月31日 14時) (レス) id: d9ffc008c9 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - はちの玉雪さん» ただいま帰りました!!笑 いやーお待たせいたしました。7人の探偵さん達をどうぞよろしくお願いします。笑 (2021年7月23日 13時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - みーさん» お読みいただきありがとうございます!!さぁ、それが今後どうなっていくのか…笑 私もどうなるのか分かりません!笑 (2021年7月23日 13時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
はちの玉雪(プロフ) - おかえりなさいませ、「キミを持っている」の心境でお待ちしておりました(笑) これからの展開を、楽しみにしております。 (2021年7月22日 20時) (レス) id: ef0b5894b5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぽぷら | 作成日時:2021年7月13日 22時

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